2025-01-06 18:39

石破首相、米政府に説明要求=USスチール買収阻止で―地方創生「令和の列島改造」・年頭会見

 石破茂首相は6日、三重県伊勢市で年頭の記者会見に臨み、バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画の中止を命じたことについて「なぜ安全保障の懸念があるのか、きちんと述べてもらわなければ、先の話にならない」と述べ、米政府に説明を要求した。地方創生を「令和の日本列島改造」と位置付け、強力に推進する方針も掲げた。
 首相は、大統領の中止命令に対して「日本の産業界から懸念の声が上がっているのは残念ながら事実だ。重く受け止めざるを得ない」と指摘。「懸念払拭に向けた対応を米政府に強く求めたい。いかに同盟国であろうとも、これから先の関係に非常に重要だ」と強調した。
 地方創生に関し、首相は「政府機関の地方移転を推進する」との考えを示した。新たな人の流れを生み出すため、都市と地方の「2拠点活動」が必要だと主張。第一歩として「国の若手職員による2拠点活動を支援する制度を新設する」と打ち出した。 
 企業・団体献金の扱いを巡っては「年度末に向けて真摯(しんし)に議論し、成案が得られるよう努めていく」と重ねて表明。「問題の本質は民主主義のコストを誰が負担すべきなのかということだ」とした上で、「公費による助成、企業・団体や個人からの資金などのバランスはどうあるべきか、与野党の枠を超えて議論を深めたい」と述べた。
 首相は「戦後80年の節目の年だ。平和国家日本の在り方を国民と考える年にしたい」と宣言。選挙制度の改革に向けて「党派を超えた検証が必要だ」と訴えた。
 野党との連立については「今の時点で考えているわけではない」と否定した。
 
 ◇首相会見ポイント
 一、USスチール買収阻止で説明要求
 一、地方創生は「令和の列島改造」
 一、企業献金、年度末に成案
 一、選挙制度の検証必要
 一、野党との連立否定
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集