クルド勢力の武装解除推進=シリア旧反体制派トップ、トルコ外相と会談
【イスタンブール時事】シリア暫定政府を主導する旧反体制派の主力組織「シャーム解放機構」(HTS)の指導者ジャウラニ氏は22日、「国内に残る武器を国家の管理外に置くことは絶対に許さない」と述べ、HTSや北東部のクルド人勢力、シリア民主軍(SDF)を含めシリア各勢力の武装解除を行い、国軍に統合して再編する方針を示した。
首都ダマスカスでトルコのフィダン外相と会談後、記者会見に臨んだ。AFP通信によれば、ジャウラニ氏は「シリアは全国民のためのものだ。われわれは共存できる」とし、各宗派や少数派を保護する考えを強調。新国家樹立へ国内融和を図る意向を示した。
ロイター通信によると、アサド政権崩壊後、外相としてシリア入りしたのはフィダン氏が初めて。同氏はSDFの中核組織、人民防衛部隊(YPG)を名指しし、「YPGは今後、シリアの一体性への脅威でなくなる必要がある」と語った上で、YPGは解体されるべきだと主張した。トルコはYPGを反政府武装組織クルド労働者党(PKK)と密接な関係を持つテロ組織とみなして警戒している。
一方、米国は過激派組織「イスラム国」(IS)掃討のためSDFを支援してきた。フィダン氏は会見で、国際社会はSDFとYPGの「非合法性」を見て見ぬふりをしていると批判。その上で、トランプ次期米大統領は異なる政策を取るだろうと期待感を示した。
SDFの司令官は先週、ロイターの取材に対し、シリア国内での対IS作戦でPKKが協力してくれていると発言。ただ、PKKとSDFは組織的つながりはないと主張した。
[時事通信社]
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