「厄介者」中国の軍事活動活発化、狙いはトランプ氏けん制 台湾当局
【台北AFP=時事】台湾当局は11日、中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させているのは、ドナルド・トランプ次期米大統領に対し「越えてはならない一線」を引くのが狙いだとの見方を示し、中国政府を「厄介者(トラブルメーカー)」と呼んだ。≪写真は、台湾・新竹の空軍基地で、離陸する台湾空軍のミラージュ2000戦闘機≫
台湾の国家安全保障担当の高官が匿名を条件にAFPに語ったところによると、中国は日本の南西諸島近海から南シナ海にかけて海軍艦約60隻、海警船約30隻を展開し、近年最大規模の海上軍事演習を実施した。
中国はまた、台湾周辺で軍用機の活動も活発化。台湾国防部(国防省)のデータによれば、この2日間で延べ100機の活動が確認されている。
東シナ海や台湾海峡、南シナ海、西太平洋における中国の軍事活動については、人民解放軍からも中国国営メディアからも公式発表はない。
だが、台湾の頼清徳総統が太平洋諸国歴訪の際、米国領に2回立ち寄ったことに、台湾を自国領土の一部と見なす中国は猛反発している。
前述の高官は11日、中国が10月に開始した大規模な海上軍事行動の狙いについて、台湾を封鎖できることを示すと同時に、トランプ政権の発足を前に越えてはならない一線を引くことだとの見解を述べた。
さらに、日本の南西諸島から台湾、フィリピンを結ぶ第1列島線に言及し、「中国は頼総統の外遊を口実として使っている。台湾は口実にすぎない」「真の目的は、米国の政権交代を前に、第1列島線内の支配権を主張し、戦略的抑止力を確立することにある」との認識を示した。
台湾外交部(外務省)は11日、台湾周辺での海上軍事演習や軍用機投入といった軍事活動の活発化は、中国が「厄介者」であることを示す証拠だと述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
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