トランプ氏「移民を強制送還」=ハリス氏、中絶権利で反撃―米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選では、共和党候補のトランプ前大統領が不法移民問題で民主党政権を厳しく非難する一方、民主党候補のハリス副大統領は女性の人工妊娠中絶の権利擁護を掲げた。内政問題では両候補が激しい攻防を展開。トランプ氏は、当選した暁には「米国史上最大の不法移民の強制送還作戦を行う」と訴えた。
調査機関ピュー・リサーチ・センターの推計によると、2022年時点で約1100万人の不法移民が米国内に滞在している。07年をピークに減少傾向にあったが、20年前後から再び増加に転じた。
トランプ氏はバイデン政権下の不法移民の流入が治安悪化の原因だと主張。大統領在任中にメキシコとの国境に壁を建設した実績を誇示し、米軍も動員して大規模な不法移民の取り締まりを行い、強制送還すると宣言した。
ただ、トランプ氏は移民を敵視するあまり、中西部オハイオ州で「ハイチ系移民が住民のペットの犬や猫を食べている」などと根拠のないデマも拡散させた。
一方、ハリス氏は特に女性の関心が高い中絶問題で攻勢を強めた。トランプ氏が選んだ保守派判事が主導する形で連邦最高裁が中絶の憲法上の権利を否定したことに反発。ハリス氏は中絶の権利を全米レベルで法制化することに支持を表明した。
他にも、トランプ氏は実業家イーロン・マスク氏を起用して政府機関の「効率化」を進める方針を表明。ハリス氏は相次ぐ銃の乱射事件を受け、銃規制の強化を呼び掛けている。
[時事通信社]
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