2025-01-01 09:07国際

生産能力削減、米政府に拒否権=日鉄、USスチール買収で提案―報道

 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポストは31日、日本製鉄のUSスチール買収計画を巡り、日鉄が、米国内の鉄鋼生産能力の削減に対する拒否権を米政府に付与する案を提示したと報じた。関係者の話として伝えた。バイデン米大統領が、買収計画に反対姿勢を示す中、米政府の安全保障上の懸念を払拭したい考えだ。
 バイデン氏は、1月7日までに買収の是非を判断する見通し。
 報道によると、新提案は12月30日付の米政府への書簡で示された。日鉄はペンシルベニア州やインディアナ州などの生産拠点では10年間、米政府の承認なしに生産能力を削減しないことを提案したという。生産能力維持には、数十億ドル規模の追加投資が必要になるとみられている。政権内では、トランプ次期米政権に最終判断を委ねる案や、承認に向けて条件を示す案も浮上している。
 米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)は、安保の観点から買収計画を審査したが、期限までに結論を出せず、バイデン氏に判断を一任した。米メディアによれば、CFIUSは、USスチールが買収されれば、国内の鉄鋼生産の減少が懸念され、安保リスクがあると判断したが、解決策を巡っては意見が分かれた。 
[時事通信社]

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