ケアマネ報酬で減額漏れ=1億円超、厚労省に指摘―検査院
介護支援専門員(ケアマネジャー)が同一の介護業者に基準を超えて業務を割り振った場合に報酬を減額する厚生労働省の措置について会計検査院が調べたところ、11都府県にある26のケアマネ事業所への減額が適用されず、計約1億1900万円が過大に支払われていたことが9日、分かった。
調査対象は11都府県の計227事業所だが、全国には今年3月時点で約3万6000の事業所があり、過大に支払われた総額はさらに膨らむ可能性がある。
ケアマネは要介護者の依頼を受けて介護計画を作成し、サービス提供業務を介護業者に割り振る専門職で、報酬は自治体から支払われる。ケアマネと業者が結託し、より多くの利益を得るために過剰なサービスを提供する「囲い込み」が問題視されている。
厚労省は囲い込みを防ぐため、ケアマネが介護計画のうち8割を超えるサービスを同一業者に割り振った場合、ケアマネの報酬を減額する措置を取っている。減額は事業所が自治体に申請する。
検査院は2016~22年度を対象に、適正に減額申請されているかを調査。11都府県の19自治体で26事業所への減額が適用されず、計約1億1900万円が過大に支払われていた。
自治体は減額が必要かどうかを確認できる一覧表を保有しているが、指摘を受けた19自治体は一覧表を活用した確認を怠っていた。事業所は計画に盛り込まれたサービスの数に関する集計方法を誤り、減額申請をしていなかった。
検査院の指摘を受け同省は8月、自治体に適用漏れがないかの確認を徹底させるとともに、事業所に対して適正な集計を周知するよう求めた。
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