2024-10-01 15:05スポーツ

イチローさんに敬意、比較には不満=ピート・ローズさん、「ヒットキング」の横顔―米大リーグ

イチローさんについて語るピート・ローズさん=2013年7月、米ラスベガス
イチローさんについて語るピート・ローズさん=2013年7月、米ラスベガス

 米大リーグ歴代最多の通算4256安打や、野球賭博への関与などで日本でも知名度が高いピート・ローズさんが9月30日、83歳で死去した。
 ローズさんの通算安打記録をイチローさんが日米合わせた数字で上回ったのが2016年6月15日。時事通信のインタビューに答えた希代の「ヒットキング」は、イチローさんのキャリアや技術に敬意を表する一方、異なる国のリーグでの記録を合算して比較することには不満だった。
 1番打者を務めた期間が長く、大きな故障とも無縁で40代半ばまで現役だった点など、イチローさんとの共通点があったローズさん。「多くの安打を重ねた彼に敬意を表したい。見ていて楽しい選手。人々は彼ほどの好選手をもっと見るべきだ」と極東出身のヒットメーカーをたたえた。
 一方で、イチローさんの記録を自身と同列に置くことには否定的だった。「王貞治とハンク・アーロンの本塁打記録が比較できないのと同じ。不公平な比較」と口にした際の語気は強かった。米メディアにも「もし米国に相撲リーグがあったら、日本の成績と比べるだろうか」と例え話を展開。イチローさんの記録と単純比較されることを好まなかった。
 13年の取材では、「私は746二塁打で2165得点だった」「40%の出塁率を目指さないといけない」「イチローは年間70~90個の四球を選ぶべき選手」などと具体的な数字を挙げながら野球を論じた。当時、米国の一部ではイチローさんに内野安打が多いことをあまり評価しない論調もあったが、ローズさんは「安打は安打。どんな安打であるかは問題ではない」と擁護した。イチローさんと同様に一本の安打に執着し続けた男の誇りがにじんでいた。(時事)
[時事通信社]

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