被災地の空彩る花火大会=避難指示解除の双葉町で初―福島
東日本大震災に伴い発生した東京電力福島第1原発事故で被災し、今なお多くの住民が避難を続ける福島県双葉町で28日、震災後初めてとなる花火大会が開催された。海外からの観光客を含め約4500人(主催者発表)が会場に訪れ、夜空を見上げて歓声を上げた。
被災地の夜空を彩った花火は1万発で、1月の能登半島地震で被災した石川県の花火会社から購入したものも含まれる。
花火大会は、毎年3月11日の追悼の花火などを手掛けてきた福島県須賀川市の花火会社「糸井火工」の糸井秀一社長(44)が企画した。双葉町では2022年8月の避難指示解除後も人口が震災前の2%程度にとどまっており、新たな観光資源をつくって、隣接する浪江町や大熊町などを含めた地域を活気づけるのが狙いだ。
訪れた人々が震災の教訓や復興の現状を知るきっかけづくりにつなげたい考えで、来年以降も継続的な開催を目指すという。
震災後に生まれたという子ども4人と妻を連れて訪れた同県田村市の会社員吉田圭児さん(46)は「津波や原発事故があった場所で人が集まって、復興が進んでいると子どもたちに分かってもらえたと思う」と話した。
[時事通信社]
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