個よりもチーム優先=近藤、芽生えた主力の意識―プロ野球・ソフトバンク優勝
近藤は誰よりも勝利に貪欲だった。「個人の成績は最後についてくればいい」。時にはけがを押してでも試合に出場し、身を粉にしてチームに貢献した。
2022年のオフ。「優勝したい。厳しい環境に身を置いて成長したい」。常に頂点を狙える環境を求め、11年間プレーした日本ハムからフリーエージェントでソフトバンク入りした。昨季はレギュラーシーズン全試合に出場。打点と本塁打でタイトルを獲得し、打者として申し分のない成績を残した。
ただ、目標のリーグ優勝に導くことはできなかった。「正直、自分のことで精いっぱいだった」。チームの中心選手としての自覚を強めて臨んだ今季。試合のどの場面でも「勝ちに導く一打」にこだわった。
後輩への助言も惜しまなかった。シーズン序盤に不調を極めた栗原。5月1日に代打で二ゴロを打った打席を見て、近藤は原因をすぐに見抜いた。栗原は「『あのスイングだと、真っすぐも打てないし変化球も拾えない』と言われた」。フォームを修正し、5月の月間最優秀選手(MVP)に輝いた。
8月、近藤は調子を落とした時に「主力が打たないとチームも苦しむ」と自らを責めた。優勝を目前にして足首を捻挫し、無念の離脱となったが、小久保監督の「主力が手本となれ」との教えを体現し続けた。
[時事通信社]
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