「攻めの県政」に待った=Z世代支援に注力も―斎藤兵庫知事
兵庫県の斎藤元彦知事は来年7月の任期満了を控え、仕上げの1年に入ったところで県議会から不信任決議を突き付けられた。4年間の任期のうち前半は、特に財政健全化を推進。後半は「攻めの県政」と銘打って、若い「Z世代」への支援などに注力してきた。しかし、パワハラ疑惑などを受け、待ったがかかる形となった。
斎藤氏は総務官僚出身。地方行政の部署を経験し、宮城県財政課長や大阪府財政課長も務めた。2021年の知事選では「県民一人一人の声を聴き、生かし、躍動する兵庫県政を実現する」と訴え、新人同士の争いに勝利。43歳の若さで知事に就任した。
就任後は、県庁舎再整備事業の見直しなどの行財政改革を推進した。県の貯金に当たる財政調整基金は23年度末時点で、約30年ぶりに100億円を超え、財政健全化で成果を示した。
斎藤氏はこの勢いに乗って、若者・Z世代の応援を肝煎り事業として進めてきた。24年度予算には、県立大学の授業料無償化のほか、子育てをしやすいよう県営住宅を改修する事業などを計上。「一つの土台ができたので、より充実していくことが大事だ」と意気込みを見せてきた。
斎藤氏は疑惑が取り沙汰されてからは「県政を立て直すことが私の責任の果たし方だ」と繰り返してきた。しかし不信任により、これ以上の政策推進が困難な状況に追い込まれそうだ。
[時事通信社]
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