2024-09-07 21:21スポーツ

53歳最年長の輝き=杉浦、最終種目で有終―自転車〔パラリンピック〕

女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)、ゴール直前で競り合う杉浦佳子(右端)=7日、パリ郊外
女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)、ゴール直前で競り合う杉浦佳子(右端)=7日、パリ郊外

 53歳での最高の輝き。自転車女子個人ロードレース(運動機能障害C1~3)を連覇し、自身が持っていた日本選手最年長金メダリスト記録を更新した。杉浦は「ほっとした。これでみんなに合わせる顔がある」。晴れやかな表情で語った。
 2016年に自転車レースで転倒。全身の骨折や高次脳機能障害を負ったが、「結局また自転車に乗りたくなった」とパラ競技で再起した。
 ロード種目で2冠の快挙を成し遂げた東京大会後は、平たんな道のりではなかった。23年には原因不明の体調不良で思うように体を動かすことができず、「さすがにパリは無理かな」と弱気になった。国際大会ではあと一歩で勝利を逃すことが多く、「また最後に抜かれるんじゃないか」と不安に襲われた。
 栄養バランスを考えた食事を取るなど、生活習慣を改善することで徐々に復調。トラック種目では昨夏の世界選手権などを制覇し、50歳を過ぎてなお成長を続ける姿を示した。
 今大会は万全の体調で臨めず、トラック2種目は予選敗退。個人ロードタイムトライアルは周囲の勢いに圧倒された。それでも「敵は己だと思って、気持ちで負けない走りをしたい」。自身最終種目で本来の力を発揮し、有終の美を飾った。 (時事)
[時事通信社]

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