2024-08-21 18:54

理事長選任で2.8億円受領約束か=社会福祉法人の元実質支配者ら逮捕―警視庁

 社会福祉法人「寿老福祉会」(東京)の理事長に就任させる見返りに、賄賂計2億8800万円を受け取る約束をしたとして、警視庁捜査2課は21日、社会福祉法違反(収賄)容疑で、医療法人などを運営する「こひつじ会グループ」最高経営責任者で、寿老福祉会を実質的に支配していた長沼信治容疑者(71)=横浜市神奈川区金港町=と、同グループ常務理事の馬場真子容疑者(63)=千葉県鎌ケ谷市新鎌ケ谷=を逮捕した。
 同法違反(贈賄)容疑で、寿老福祉会前理事長の藤井諭容疑者(62)=東京都品川区上大崎=も逮捕した。同課はいずれの認否も明らかにしていない。
 藤井容疑者は2023年11月、同様の手口で福岡県にある社会福祉法人の理事長に就任したとして、同容疑で福岡県警に逮捕、起訴されていた。
 長沼容疑者と馬場容疑者の逮捕容疑は21年12月下旬ごろ、藤井容疑者を寿老福祉会理事長に選任する見返りなどとして、計2億8800万円の賄賂の受け取りを同容疑者と約束した疑い。
 同課によると、長沼容疑者は16年に約1億5000万円で寿老福祉会を買収。同会を実質的に支配していた。
 藤井容疑者は22年1月に寿老福祉会の理事長に就任し、直後から同会の資金を横領するようになった。同会などの資金繰りが悪化し、約束した賄賂を長沼容疑者らに支払うことはなかった。 
 藤井容疑者は今年6月までに、同会の資金計約6400万円を着服したとして、業務上横領容疑で逮捕され、その後起訴された。
 寿老福祉会のホームページによると、同会は14年に設立された。16年から特別養護老人ホーム「寿老の里」を運営しており、入居者の定員は短期入所を含め60人。現在はこひつじ会グループとの関係は解消されているという。
[時事通信社]

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