2024-07-27 08:46

詰め込んだパリの魅力=約4時間、見事に締める〔五輪〕

 夏季五輪史上初となるスタジアム外での開会式。安全面の不安が指摘されても、組織委員会のエスタンゲ会長は譲らなかった。「開幕の夜にパリを見せたい」
 花の都が世界に誇る文化や歴史が盛り込まれた約4時間。船に乗った各国・地域の選手らや川岸の観客は、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館といった文化的な遺産を堪能した。マリー・アントワネットが幽閉されていた建物を使ったり、有名な芸術作品をモチーフとした演出がちりばめられたり。ダンスフロアになったような時間もあった。
 あいにくの天候のため、夕日に鮮やかに照らされる光の演出は実現しなかった。選手たちは長時間、雨にぬれた。ただ、混乱なく式典をやり遂げたのは大きな成果だ。
 平和や多様性、女性といった五輪の価値を示すテーマにもじっくり時間をかけた。エスタンゲ会長は「五輪が全ての問題を解決するわけではない。差別や紛争がなくなることもないが、皆さんは団結したときの人間がいかに美しいかを思い出させてくれる」と言葉に力を込めた。
 最後に、1996年アトランタ大会の開会式でも登場したカナダの世界的人気歌手、セリーヌ・ディオンさんがエッフェル塔でエディット・ピアフの「愛の賛歌」を歌った。過去の記憶ともつなぐ、舞台芸術のような締めくくりだった。 (時事)
[時事通信社]

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