岸田首相、強制不妊原告に謝罪へ=月内面会、補償も検討
岸田文雄首相は3日、旧優生保護法を違憲と判断し、強制不妊手術に関して国に損害賠償を命じた最高裁大法廷判決を受け、今月中に原告側と面会して謝罪する意向を示した。原告に速やかに賠償し、広く被害者に対する補償を行うため新たな方法を早急に検討する方針も明らかにした。
首相は首相官邸で記者団に、強制手術について「人の尊厳をじゅうりんする、あってはならない人権侵害だ。法を執行していた立場から、真摯(しんし)に反省し、心からおわびする」と陳謝。面会に関し、「つらい経験、思いを伺い、反省とおわびの言葉を直接伝えたい」と表明した。
また、被害者が長年にわたって苦痛を受け、高齢化も進んでいると指摘。補償について「先送りできない課題だ」と述べた。
判決後、首相は加藤鮎子こども政策担当相、門山宏哲法務副大臣を官邸に呼び、補償の在り方に関して与野党とも調整しながら検討を急ぐよう指示。原告側との面会の場を月内に設けることも加藤氏に求めた。
首相は記者団に「二度と繰り返さないよう、疾病や障害の有無で分け隔てられることなく共生する社会の実現に、政府として最大限努力する」と強調。訴訟が継続している原告への対応について「最高裁判決を踏まえて検討したい」と語った。
2019年成立の救済法に基づいて320万円の一時金が支給された被害者は一部にとどまっている。これに関し、林芳正官房長官は記者会見で「より一層の周知・広報に努め、着実な支給に全力を尽くす」と述べた。
◇首相発言ポイント
一、真摯に反省、心からおわび
一、原告と月内に面会、謝罪
一、強制手術、速やかに賠償
一、新たな補償を検討
[時事通信社]
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