H3・3号機、打ち上げ成功=「だいち4号」搭載―2機連続、商用化に弾み・JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日午後0時6分、先進レーダー衛星「だいち4号」を搭載した新型基幹ロケット「H3」3号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。だいち4号は約17分後に予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。昨年の1号機打ち上げ失敗後、実用衛星を載せるのは初めて。今年2月の2号機に続く連続成功で、宇宙ビジネス参入への弾みになりそうだ。
JAXAの有田誠・H3プロジェクトマネジャーは打ち上げ後の記者会見で「1号機の失敗後、必ず立て直すと誓ったが、その約束を果たせた。まさに100点の打ち上げだった」と述べた。
H3は、JAXAと三菱重工業が開発を進める2段式液体燃料ロケット。第1段に新開発の液体燃料エンジンを導入して打ち上げ性能を向上させる一方、部品数の削減や民生品の積極採用などにより、従来のH2Aから大幅なコストダウンを目指している。
昨年3月の1号機打ち上げで第1段エンジンは正常動作したものの、第2段エンジンが着火せず失敗。搭載していた先進光学衛星「だいち3号」を失った。
電気系統で過大電流を検知したのが原因で、JAXAは絶縁の徹底などの対策を実施した。実用大型衛星に代わって打ち上げ性能確認用のダミー衛星を載せたH3・2号機打ち上げは、第2段エンジンの着火を含め、軌道投入まで成功。JAXAと三菱重工は3号機へのだいち4号搭載を決めた。
だいち4号は2014年に打ち上げられた「だいち2号」の後継機で、三菱電機とJAXAが開発。夜間や悪天候でも観測可能なレーダーを搭載し、地震や火山活動などによる地盤の隆起や沈降の観測が可能なほか、水害などの被災状況把握にも役立てることができる。
[時事通信社]
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