ロシアの軍事技術に期待=プーチン氏歓待で蜜月誇示―北朝鮮
【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は19日に予定されるロシアのプーチン大統領との首脳会談で、さらなる軍事技術獲得を期待している。プーチン氏の24年ぶりの訪朝を歓待し、ロ朝の蜜月関係を国内外に誇示する狙いとみられる。
「朝ロ善隣友好関係を新たな高い段階に発展させる大きな意義を持つ」。18日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」はプーチン氏の訪朝を伝える社説を1面トップに据え、こう歓迎した。
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、北朝鮮はロシア重視の姿勢を強めてきた。正恩氏は昨年9月、コロナ禍後の初外遊先にロシアを選び、プーチン氏と会談。これと前後して北朝鮮の弾薬がロシアに渡り、ウクライナへの攻撃で北朝鮮の短距離弾道ミサイルが使用されたことも明らかになった。
北朝鮮は見返りに、軍事技術の提供を受けたとされる。韓国の情報機関、国家情報院は、北朝鮮が昨年11月に軍事偵察衛星の打ち上げを成功させた背景には、ロシアの支援があったと分析する。
正恩氏は首脳会談の機会を最大限に生かしたい考え。成果として、有事に旧ソ連の自動参戦条項が盛り込まれていた過去の「軍事同盟」の水準まで関係を引き上げられるかどうかも焦点になる。
日米韓と中朝ロが「新冷戦」の構図にあるとの見方も出る中、中国は北朝鮮との伝統的な友好関係を維持しつつも、こうした対立構造の先鋭化を望んでいない。このため北朝鮮は、軍事・外交面でより利害が一致するロシアとの関係強化を優先しているもようだ。
[時事通信社]
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