自民敗北、政権へ痛打=3補選に続き、野党勢い―静岡知事選
事実上の与野党対決となった静岡県知事選は、立憲民主、国民民主両党が推薦した新人が制し、自民党の推薦候補が敗れた。岸田文雄首相(自民総裁)にとっては4月の衆院3補欠選挙の全敗に続く痛打となり、政権運営は一層厳しさを増しそうだ。野党は週明けからの国会で攻勢をさらに強める構えだ。
「自民が政治不信を全く払拭できない中、『野党、しっかりしてくれ』という声の表れだ」。立民の大串博志選対委員長は26日夜、党本部で記者団の取材に応じ、自民の派閥裏金問題を受けて野党側に追い風が吹いているとの認識を示した。
一方、自民の小渕優子選対委員長は「県民の審判を真摯(しんし)に受け止める」とするコメントを発表した。
与野党内では知事選の結果が今後の国政に大きく影響するとの見方が広がっていた。2021年4月に当時の菅義偉首相が衆参3補選・再選挙で不戦敗を含めて全敗。同8月には地元の横浜市長選で敗れ、翌月の自民党総裁選で不出馬に追い込まれたことがあるためだ。
立民、国民両党は知事選を「4月の補選に続き政権にダメージを与える戦い」(立民幹部)と重視し、幹部らが連日てこ入れするなど総力戦を展開した。勝利を受け、衆院で審議中の政治資金規正法改正案を巡り、自民に野党案受け入れを一段と強く迫る。
自民は裏金事件への有権者の反発を恐れ、政党色を極力消すことを余儀なくされ、厳しい選挙戦を強いられた。内閣支持率の低迷が続く中、注目選挙で連敗し、同党若手は「岸田首相では衆院解散はできない」と指摘。中堅も「総裁選で新しい顔を選ぶことになるだろう」と語った。
[時事通信社]
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