イラン大統領、事故で死亡=不時着ヘリ発見
【イスタンブール時事】イラン北西部でライシ大統領やアブドラヒアン外相らを乗せたヘリコプターが19日に不時着した事故で、イラン国営メディアは20日、ライシ師やアブドラヒアン氏が死亡したと伝えた。マンスーリ副大統領はX(旧ツイッター)に犠牲者を追悼する投稿を行い、ライシ師の死亡を事実上認めた。
イラン赤新月社当局者は、ヘリの機体が山間部で発見されたと語った。地元メディアが報じた上空からの映像では、緑色の木々が生い茂る中に黒く焦げた地点が浮かび、機体は完全に焼け焦げた状態とみられるという。
イラン当局は一夜明けた20日も、軍や精鋭軍事組織「革命防衛隊」を動員して機体の捜索を継続。山あいの現場は陸路で近づくのが難しく、濃霧などの悪天候で上空からの捜索は難航した。トルコのアナトリア通信は20日、トルコが派遣したドローンが機体から発せられたとみられる熱源を山中で感知し、イラン当局と情報を共有したと報じていた。
イランの最高指導者ハメネイ師は19日、「敬愛する大統領らを神が国家の手に戻してくれることを望む」と述べた上で、「国が混乱することはなく、心配する必要はない」と国民に平静を呼び掛けた。イランの憲法の規定では、大統領が在職中に死去などで不在となった場合、第1副大統領が最高指導者の合意を得て大統領の職務を代行。50日以内に大統領選挙が行われる。
ライシ師は19日にアゼルバイジャンとの国境地帯を訪れ、同国との協力で建設したダムの完成式に出席。その帰途に事故に見舞われた。バヒディ内相は、不時着は「悪天候が原因」としている。
[時事通信社]
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