職種限定なら配転認めず=適法判断の二審破棄―最高裁
社会福祉法人「滋賀県社会福祉協議会」が運営する施設の元職員の男性が、職種限定合意があったのに配置転換を命じたのは違法だとして同協議会に110万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は26日、職種限定合意がある場合は同意のない配転を命じる権限はないとの初判断を示した。命令を「適法」とした二審大阪高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。
判決などによると、男性は2001~19年、同施設の技術職として福祉用具の改造や製作に従事。同協議会との間には技術職として働く暗黙の合意があったが、19年3月、男性の同意がないまま総務課の施設管理担当に配転させる人事が発表された。男性は撤回を要求したが受け入れられず、その後退職した。
第2小法廷は、同協議会は男性の同意を得ておらず、配転を命じる権限はなかったと指摘し、命令を適法とした二審判決には法令違反があると判断。その上で、損害賠償の対象となり得るかなどについてさらに審理させるため、大阪高裁に差し戻した。
大阪高裁は職種限定合意があったことを認める一方、配転命令が違法とは言えないとして、男性側の訴えを退けていた。
最高裁判決後に東京都内で記者会見した男性は「ようやく一筋の光が見えたという感じだ」と語った。
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