2024-04-17 19:47

古代ローマ初代皇帝の別荘か=イタリア南部の遺跡で発見―東大

 イタリア南部ナポリ郊外にある古代ローマ時代の遺跡から、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(紀元前63~紀元後14年)時代の建物の一部が見つかったと、東京大が17日発表した。この地域にあり、アウグストゥスが息を引き取ったと伝えられる別荘の可能性もあるという。
 この遺跡はベスビオ火山の北側に位置し、5世紀の噴火で火山灰に埋もれた。1930年代に見つかったが本格発掘に至らず、2002年から東京大が発掘調査を続けてきた。 
 これまでの発掘で出土した2世紀中ごろの建物にはアウグストゥスに関連する意匠が施されていたが、それより前の時代の建物などは見つかっていなかった。
 東京大大学院総合文化研究科の村松真理子教授らは、2世紀の建物の下に、より古い建物が埋もれているのを発見。湯を沸かすかまや、ワインなどを入れるアンフォラという素焼きの容器などがある部屋が見つかった。かまは複数あり、浴場施設が存在する可能性もあるという。
 放射性炭素による年代測定や、堆積していた軽石の分析などから、建物は古代都市ポンペイを壊滅させた79年の大噴火で破壊されたと判明。かまはアウグストゥスが死去した1世紀前半以降、使われなくなったとみられる。
 研究チームの青柳正規東京大名誉教授は「別荘と断定するには銘文などが見つからないといけないが、可能性はあると思っている」と話した。
[時事通信社]

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