深遠なテーマを娯楽作に=宮崎監督、日本アニメの国際的評価高める―米アカデミー賞
「自然と人間の共生」などの深遠なテーマを織り込みながら、温かみのあるタッチと緻密な描写、独創的な表現で心躍る冒険活劇を紡いできた宮崎駿監督。日本アニメをけん引し続ける巨匠に新たな栄誉が加わった。
宮崎監督は1979年に「ルパン三世 カリオストロの城」で映画初監督。自ら原作・脚本も手掛けた84年の「風の谷のナウシカ」では、人間の愚かさや自然との共生、非戦の願いなどの問題意識を、魅惑的な娯楽作に昇華させた。
85年のスタジオジブリ設立後も「天空の城ラピュタ」(86年)、「となりのトトロ」(88年)など、親しみやすいファンタジーの体裁を取りながら高い芸術性を備えた作品を連発した。
製作面では手描きの絵コンテにこだわり続けた。浮遊したり飛行したりするシーンなどはアナログならではの独特な躍動感や疾走感にあふれる。海外でも高く評価され、日本アニメの地位確立に貢献してきた。「千と千尋の神隠し」(2001年)は、ベルリン国際映画祭の金熊賞(最高賞)と米アカデミー賞長編アニメ賞に輝き、14年には宮崎監督自身がアカデミー名誉賞を授与された。
同時に、老若男女から幅広い人気を集め、ヒットメーカーとしても突出した存在に。「千と千尋―」の国内興行収入は歴代2位の約317億円(興行通信社調べ)。「もののけ姫」(97年)と「ハウルの動く城」(04年)も200億円前後の興収を上げて歴代トップテンに名を連ねるなど、商業的な成功も目覚ましい。
作品と向き合う傍ら、過去には体力面などを理由に度重なる「引退」発言も。前作「風立ちぬ」公開後の13年9月の会見で長編アニメ製作から退く意向を述べたが、17年に今作の製作に取りかかったと明かしていた。
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