2024-02-28 18:06World eye

ブンデスチェアマン、出資計画撤回は「リーグにとってよくないこと」

【ベルリンAFP=時事】サッカードイツ・ブンデスリーガが外部投資家に放映権の一部を売却する計画について、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)のチェアマンを務めるハンス・ヨアヒム・ヴェツケ氏は27日、撤回したことは「リーグにとってよくないこと」だったと話した。≪写真はドイツ・ブンデスリーガ1部第22節のVfLボルフスブルクとボルシア・ドルトムントの試合で、投資家参入に抗議するファン≫
 ブンデスリーガを運営するDFLは、必要な3分の2のクラブから賛成を得て10億ユーロ(約1630億円)の投資計画を承認していたが、ファンの激しい抗議で試合が長時間中断する事態が続いていたことを大きな理由に撤回を決めた。計画では、将来のテレビ放映権を一部手放すことと引き換えに資金注入を受ける予定だったが、ファンはテニスボールからコイン型のチョコレートまで、あらゆるものをピッチに投げ込んで反対していた。
 ヴァツケ氏は報道陣に対して、ドイツのファンは「投資家をよく思っていない」とコメント。「ドイツ人は伝統を重視し、少し古風とさえ言えるかもしれない」と話し、「ドイツでは、投資家はおそらく最高の単語ではない」と続けた。
 DFLは、計画にはキックオフ時間の変更や国外での公式戦の実施といった変化から、サポーターを守る条項を盛り込むと約束していた。ヴァツケ氏は「投資家との契約には、ファンが困ることはしないという明確な線引きがあった。問題は、ファンがわれわれを信じていなかったことだ」と明かし、「実際これはドイツ社会の問題でもある。市民にアイデアを伝えると、どれも『よくない』と言われるんだ」と語った。
 また、抗議は平均的なファンの意見を反映した行動ではなかったと主張。「反対したのは全体の5パーセントで、そんなに大きな割合ではないが、彼らは組織立ったファンだ」と話し、「普通のファンは気にしていなかったが、彼らは特に意見を言わなかった」と述べた。そして、抗議によって計画を取り巻く雰囲気が変わり、各クラブが及び腰になったと明かした。【翻訳編集AFPBBNews】

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