2024-01-30 16:33World eye

ピラミッド改修工事で物議 建造当初の姿目指す エジプト

【カイロAFP=時事】エジプトの首都カイロにある「メンカウラー王のピラミッド」で始まった改修工事を映した動画がソーシャルメディアで物議を醸している。≪写真はエジプト・ギザのメンカウラー王のピラミッド≫
 エジプト考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は、改修について「世紀のプロジェクト」だと表現している。
 26日には、作業員が化粧石をメンカウラー王のピラミッドの最下層に設置している様子を、ワジリ氏が紹介する動画がフェイスブックに投稿された。
 同ピラミッドは、ギザのスフィンクスと比較的大きなカフラー王とクフ王のピラミッドの横に立つ。
 メンカウラー王のピラミッドは建造当初花こう岩で覆われていたが、時とともに失われた。改修プロジェクトは花こう岩の化粧石を再建し、当初の外観に戻すことを目指している。日本も協力している。
 プロジェクトの責任者でもあるワジリ氏によると、工期は3年の予定で「エジプトから21世紀の世界への贈り物」となるとしている。
 投稿された動画には、改修工事を批判するコメントが数十件ついた。
 エジプト学者のモニカ・ハンナ氏は、「ありえない!」と書き込んだ。
 「こうした干渉は、改修に関するあらゆる国際的な原則が禁じている」とし、すべての考古学者は「即座に立ち上がれ」と呼び掛けた。
 別のユーザーは「タイルではなく壁紙でも貼ったらどうだ?」と皮肉った。
 観光業がGDP(国内総生産)の10%を占めるエジプトでは、遺跡の保全をめぐってしばしば大きな議論が巻き起こる。
 エジプトでは市民が政治的活動をすることはほぼ禁止されている。このため、都市計画や文化遺産に対する政策に批判が向くことが多い。【翻訳編集AFPBBNews】

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