2024-01-27 14:14経済

米株復調、生成AIけん引=NYダウは初の3万8000ドル台

最近の米株式市場推移
最近の米株式市場推移

 【ニューヨーク時事】米株価が復調の兆しを見せている。昨年末に高まった早期の米利下げ観測が後退し、今月半ばまでは売り買いが交錯していたが、文章や画像を自動作成する生成AI(人工知能)の普及拡大見通しで流れが一変。恩恵を受けるハイテク株への買いが膨らみ、代表的な株価指標のダウ工業株30種平均は初めて3万8000ドル台に乗せた。
 年明け以降に相次いだ連邦準備制度理事会(FRB)高官による早期利下げ観測へのけん制発言で軟調だった株価は、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が18日公表した今年の業績予想を契機に再び上昇基調に転じた。 
 TSMCは、生産性向上に不可欠な生成AI向け半導体需要の取り込みで、売上高が前年比2割増加すると見積もった。これを受け、主要顧客の半導体大手エヌビディアのほか、マイクロソフトなどの株価が上伸した。
 ハイテク株のけん引に加え、インフレ緩和と成長維持を両立させる景気の軟着陸期待も相まって、ダウ平均は19日以降、過去最高値を4度更新。ハイテク株中心のナスダック総合指数も高止まりしている。
 米株高は東京株式市場にも波及し、日経平均株価は、バブル経済期の1990年2月以来約34年ぶりの高値水準で推移している。
 一方、米株式相場は、カネ余りや好業績が見込まれる一部企業によって支えられている面も強く、「予想外に悪い業績発表で急落する」(市場参加者)危うさも抱える。

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