2023-11-16 13:06

軍事対話再開で合意=AIで協議枠組み、台湾は平行線―1年ぶり米中首脳会談

 【サンフランシスコ時事】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は15日、米西部カリフォルニア州サンフランシスコ近郊で会談した。両首脳は米中両軍の「ハイレベルな意思疎通」を再開し、空席となっている中国国防相の任命後に、国防相会談を開くことで合意した。台湾海峡や南シナ海で緊張が続く中、両首脳は関係安定化へ一定の道筋を示した。
 両首脳の対面会談は昨年11月のインドネシア・バリ島以来1年ぶり。バイデン氏は会談冒頭、「競争が紛争に陥らないよう責任を持って管理しなければならない」と指摘。習氏は「両国は世界と歴史に対して重い責任がある」と応じた上で、「相互尊重の下、両国は違いを乗り越えることができる」と述べ、緊張緩和に前向きな姿勢を見せた。
 会談では衝突回避を巡り、ひとまず成果が見られた。国防当局間の対話では、国防政策調整協議、海上における偶発的衝突の防止に関する対話など三つの枠組みの再開で一致。いずれも、中国が昨年8月にペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に強く反発し、中断を表明していた。
 気候変動対策での連携強化や人工知能(AI)に関する協議枠組みの確立でも合意。米国で乱用が社会問題化している合成麻薬「フェンタニル」対策で協力する方針を確認した。中国の核戦力の透明性向上も議題になった。半導体などハイテク分野での米政府の対中輸出規制に関して意見交換し、習氏が「一方的な対中制裁」の撤廃を要求した。
 厳しいやりとりが交わされたのは台湾問題だ。バイデン氏が台湾海峡の平和と安定の維持の重要性に言及したのに対し、習氏は「中国の平和統一」を支持すべきだと述べ、平行線をたどった。バイデン氏は来年1月の台湾総統選に干渉しないよう求めたという。 
[時事通信社]

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