2023-11-07 15:16スポーツ

どっしり21歳、伸び盛り=注目浴びる熱海富士―大相撲「沸かせ、納めの土俵」(下)

申し合い稽古で相撲を取る熱海富士(右)=3日、福岡県太宰府市
申し合い稽古で相撲を取る熱海富士(右)=3日、福岡県太宰府市

 東京都大田区で行われた秋巡業初日。そこに、サインや写真撮影を求める多くのファンに囲まれる熱海富士の姿があった。会場内でしこ名が読み上げられると大きな歓声が湧き、注目度の高さが伝わる。ただ、本人は「(これまでの巡業と)あまり変わらないんじゃないですか」とひょうひょうとした口ぶりだった。
 返り入幕で臨んだ先場所で快進撃を見せた。186センチ、181キロの恵まれた体格を生かし、立ち合いから圧力をかける相撲を貫いて11勝。優勝争いの先頭に立った。
 意欲的な稽古姿勢が、伸び盛りを迎えた21歳の成長の源泉になっている。幕下以下の力士に交ざってすり足などの基礎運動を行い、土俵周りではダンベルやゴムチューブを使ったトレーニングでじっくりと汗を流す。申し合いでは出足を確認。「(課題は)たくさんある」と、一つ一つに誠実に取り組む。
 優勝決定戦では大関貴景勝の変化に屈し、涙をのんだ。「まだまだ稽古が足りない」。そう話すものの、賜杯レースを引っ張る状況で相撲を取った経験は、大きな自信をもたらしたに違いない。
 九州場所に向けて、「やることは変わらない」ときっぱり。まだ幕内3場所目。伸びしろは十分にある。小細工なし、真っ向勝負の取り口で、再び旋風を巻き起こす準備を続けている。 
[時事通信社]

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