被災地に追悼の明かり=東日本大震災の発生から14年を前に「思い寄せて」―3県

東日本大震災の発生から14年となるのを前に、岩手、宮城、福島3県では10日夜、各地で並べられたろうそくなどに明かりがともされた。「思いを寄せて」「忘れない」。温かな光を見詰めながら、犠牲者を追悼する人々の姿が見られた。
先月26日から大規模な山林火災に見舞われた岩手県大船渡市。震災後に市中心部に整備された商業施設の広場では午後4時、竹の中に発光ダイオード(LED)の電灯を入れた「竹あかり」が光り始めた。
制作に携わった小泉洋さん(54)によると、当初は今月2日から実施する予定だったが、山林火災の被害を考慮し、点灯を10日まで延期していた。小泉さんは「また自然の猛威を見せつけられた」と声を詰まらせ、「この光が防災や震災を考えるきっかけになれば」と語った。
宮城県南三陸町の震災復興祈念公園では、日の入りの午後5時半すぎから、町の震災遺構「旧防災対策庁舎」が照明の淡い光に照らされた。明かりには犠牲者への追悼と鎮魂の思いが込められており、闇夜に浮かぶ庁舎に手を合わせる人々がいた。
同県美里町の無職男性(64)は震災後、南三陸町でがれき撤去などのボランティアに関わったという。「町並みも変わってしまった」といい、「明かりに照らされた庁舎が、亡くなった方々が町に戻る目印になるといい」と話した。
福島県双葉町のJR双葉駅前には約1000本のろうそくが並べられ、地元住民らが見守る中、一本一本に明かりがともされた。
ろうそくには「もどって来たよ」「忘れません」といったメッセージが記されていた。2022年10月に同県いわき市から移住した高久田祐子さん(49)は「これからも復興が進み、子どもたちが楽しく過ごせるような町になってほしい」と語った。
[時事通信社]



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