2025.01.22 スポーツ

【野球】イチローさん (115/544)

パイレーツ戦の試合前、メジャー通算3000安打の記念式典で、電光掲示板(右上)に映し出された王貞治氏からのメッセージを聞くマーリンズのイチロー(左から2人目)=2017年4月30日、マイアミ【時事通信社】 マーリンズのイチローは、昨年8月に達成した通算3000安打を祝うセレモニーで感激を味わった。 パイレーツ戦の前に贈呈された記念品は、すべての安打3000枚の写真を組み合わせて特殊ガラスで覆ったパネル。選手らのアイデアも採り入れて制作された。チームカラーのオレンジで3000が浮かび上がる力作は、縦260センチ、横120センチほどの大きさで、重さは50キロを超える。イチローは「あれを置ける家を買わなきゃ」と冗談を交じえて喜んだ。 パネルの除幕が終わると、球場の電光掲示板に視線を向けるよう促された。そこには敬愛するソフトバンクの王貞治球団会長の姿が映し出され、「イチロー君、メジャーリーグでの3000安打おめでとう。好きな野球をもっともっとやって1本でも多くヒットを打ってください」と祝福された。 英訳された字幕付きのメッセージが流れ終わると、イチローは帽子を取って深々とお辞儀した。「すごく温かみがある。それがもうにじみ出ている。あのお姿を拝見できるとは思ってなかったので、あれが一番驚きましたね」。第1回WBCで監督と選手として接し、本塁打などの偉大な記録より、その人間性にひかれた人の言葉が心に染み入った。 試合は代打で出場して四球を選んだ。安打は放てなかったが、イチローにとっては積み上げてきた重みを改めて実感できた1日となった。