カタールW杯汚職疑惑 エバ・カイリ欧州議会副議長 (2/7)
(ストラスブール、ブダペスト、アテネAFP時事)サッカー・ワールドカップ(W杯)開催国カタールが絡んだ汚職疑惑が欧州連合(EU)の欧州議会を直撃している。エバ・カイリ副議長が2022年12月9日、ベルギー司法当局に逮捕された。メツォラ議長は12日、贈収賄は「欧州議会、欧州の民主主義、われわれの自由で民主的な社会への攻撃なのだ」と議員らに訴え掛けた。 フランス東部ストラスブールの欧州議会に登院したメツォラ氏は「捜査は進行中で、推定無罪が前提だから慎重に言葉を選ばないといけない」と強調。しかし「私の怒りと悲しみが伝わっていないなら、今ここにあるのを再確認してもらいたい」と議員らに訴え、怒りをあらわにした。 疑惑の全体像は明らかになっていない。カタール当局者はAFP通信に対し、疑惑について「ありとあらゆることが重大な誤報だ」と述べた。 カイリ氏は14人いる欧州議会副議長の一人。11月20日のW杯開幕直前にカタール入りしアリ労相と会談、カタール通信配信の動画で「W杯は政治改革に大きな役割を果たした」とカタールの変化を評価した。 戻った欧州議会では、カタールを「労働者の権利を守る先頭走者になった」と持ち上げた。大会のインフラ建設のため途上国から動員された大勢の労働者が犠牲になったと批判される中での演説だった。 ベルギー検察は11日、カイリ氏ら4人を「犯罪組織との関係、マネーロンダリング(資金洗浄)、汚職」の疑いで訴追したと公表した。関係先の捜索で現金60万ユーロ(約9000万円)が押収された。カイリ氏の母国ギリシャでは12日、司法当局がカイリ氏の資産を凍結した。写真はフランス・ストラスブールの欧州議会で演説するメツォラ議長=12月12日 【EPA時事】