サッカー
IOCの資料によると、男子は1900年パリ大会でプログラムとして採用されて以来、32年ロサンゼルス大会を除き毎回実施。女子は96年アトランタ大会から正式採用された。日本は男子が68年メキシコ大会で銅メダル、女子は2012年ロンドン大会で銀メダルを獲得した。
見どころ
男子は年齢制限のない日本代表を率いる森保一監督が五輪世代の代表監督も兼務し、1968年メキシコ大会の銅以来となるメダル獲得を目指す。前回の2016年リオデジャネイロ大会では1次リーグ初戦を落としたのが最後まで響いたため、いかに大会序盤を勝ち切るかが焦点。
スペインの名門バルセロナの下部組織で育ったMF久保建英は、本来は一つ下の世代のため「飛び級」での参加だが、主力としての活躍が期待される。DF冨安健洋らはA代表として臨んだ19年のアジア・カップからレギュラーに定着。A代表と同様に欧州クラブに所属する選手が軸で、オーバーエージ(OA)枠にはDFの吉田麻也と酒井宏樹、MF遠藤航が選出された。
五輪の男子サッカーには年齢制限がある上に選手の招集に強制力がなく、世界的な名選手の招集に所属クラブが同意しない例も多い。そのため、大会直前まで戦力が読めず、W杯の強豪とは異なるチームが上位に進出する傾向があるのも魅力の一つ。前回大会で悲願の金メダルを獲得したブラジルは、地元開催のためFWネイマールら世界トップクラスの選手を招集できたが、東京大会に向けた戦力には不安も。18年W杯優勝のフランスは才能のある若い選手が多く、優勝候補の一つに挙げられそうだが、エムバペら世代の実力者を招集できるか。他に身体能力の高いアフリカ勢などにも注目。
女子は高倉麻子監督率いるなでしこジャパンが悲願の金メダルを狙う。澤穂希ら11年W杯で優勝した主力が抜け、前回のリオ大会はアジア予選で敗退した。現在は若手強化と世代交代を進め、18年にはアジア選手権、アジア大会とも制した。1対1の強さやキックの精度でチームを引っ張るDF熊谷紗希やFW岩渕真奈らが中心。若手ではMF長谷川唯ら年代別のW杯で実績のあるメンバーが五輪代表入りした。
世界を見渡すと、現在は欧州を中心に女子サッカー全体のレベルが上がっている。優勝候補の筆頭は、最多4度の優勝を誇る米国か。オランダやスウェーデンが急速に伸び、イングランド(英国)、ブラジルなども実力がある。前回大会で初の金メダルに沸いたドイツは出場権を逃した。