真珠養殖に異変=アコヤガイ大量死、生産へ影響-愛媛など
愛媛、三重、長崎県などで今夏、真珠養殖に使うアコヤガイの大量死が発生した。詳しい原因は不明だ。真珠養殖は稚貝の育成から出荷まで3~4年必要。地元関係者は対策に乗り出しているが、今年の異変で稚貝不足が深刻化すれば、2021年以降、真珠生産への影響が懸念される。
真珠は、アコヤガイの母貝に埋め込んだ球状の核に分泌物が層を形成し、できあがる。
アコヤガイ生産量が全国1位の愛媛では7月下旬ごろから大量死が発生。9月末時点で、稚貝の養殖数は約1100万個と平年より7割近く減った。愛媛大学農学部の三浦猛教授によると、大量死は1996年以来。原因は特定できていないが「(餌不足や過密な養殖環境など)複合的な要因」(三浦教授)が疑われている。
大量死に伴う被害額は母貝と合わせて約3億円(9月末現在)。アコヤガイの被害は、多額の収益を生む真珠の生産減に直結する。
県の真珠生産額(18年度が約61億円)は、主な輸出先の中国の景気変調などから、19年度は52億円、20年度は40億円程度に減る見通し。今夏に大量死した稚貝を真珠養殖に用いるはずだった21年度以降は、供給不足で一段と減少する恐れがある。
大きな被害を受けた下灘漁協(愛媛県宇和島市)では稚貝の再生産に乗り出した。同漁協と県で計850万個を10月中に養殖業者に供給する。ただ、死んだ稚貝の数は2000万個以上に上り、愛媛の真珠養殖は一時的な縮小が避けられない。
同漁協の武部洋安組合長は「養殖業者は高齢者が多く、1年休んだら再開しようという気になれない」と表情を曇らせた。(2019/10/26-13:39)
Japan Pearl Farming Hit by Mass Death of Akoya Oysters
The mass mortality of Akoya pearl oysters that occurred in Ehime, Mie and other prefectures in Japan this summer is expected to negatively impact Japan's pearl production in 2021 and beyond.
The cause of the latest mass mortality event is still unclear, but oyster producers have started taking measures to minimize the damage to the pearl culture process.
It takes three to four years to produce a cultured pearl, which is made by a live oyster after layers of nacre become deposited around a tiny bead inserted into its shell.
Ehime Prefecture, the largest producer of Akoya pearl oysters in Japan, started to see the mass death of oysters in late July. At the end of September, the number of young shellfish being cultured in the prefecture stood at about 11 million, down nearly 70 pct from an average year.
It is the first mass mortality of Akoya pearl oysters in Japan since 1996, according to Takeshi Miura, professor at the Faculty of Agriculture of Ehime University.
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