女川再稼働に同意　宮城知事「安全性を確認」―被災原発で初めて

　東日本大震災で停止していた東北電力女川原発２号機（宮城県石巻市、女川町）について、同県の村井嘉浩知事は１１日、再稼働への同意を表明した。石巻市の亀山紘市長、女川町の須田善明町長との会談後の記者会見で、明らかにした。
　原発の再稼働には地元自治体の同意が必要で、最大の焦点となっていた。震災で被災した原発に対する地元同意は初めてで、事故を起こした東京電力福島第１原発と同じ沸騰水型軽水炉（ＢＷＲ）としても初めて。東北電は安全対策工事が完了する２０２２年度以降の再稼働を目指している。
　村井知事は、国の審査や県の有識者会議を通じ、「運転に求められる安全性は確認できた」と説明。住民から慎重な意見も出ていたことに触れた上で、「最後まで悩んだが、（同意に）了解することで一致した」と述べた。梶山弘志経済産業相には同意の意思を電話で伝えたという。
　女川２号機をめぐっては、県議会と石巻市、女川町の両議会が賛成の陳情、請願を採択し再稼働を容認。県内の全市町村長が出席した９日の会議では、一部の首長が反対したが、知事や石巻市長、女川町長が出す結論に委ねることで一致した。
　村井知事は当初から県議会と市町村長の決断を重視する意向を示していた。住民説明会で避難計画に不安を訴える声も相次いだが、県は訓練などで実効性を向上させるとして同意手続きを進めた。（2020/11/11-20:42）

Miyagi Governor Yoshihiro Murai announced his approval for the restart of the No. 2 reactor at Tohoku Electric Power Co.'s Onagawa nuclear plant in the northeastern Japan prefecture.
   Murai made the announcement after holding talks with Hiroshi Kameyama, mayor of the city of Ishinomaki, and Yoshiaki Suda, mayor of the town of Onagawa. The two Miyagi Prefecture municipalities on the Pacific coast host the nuclear plant.
   The Onagawa No. 2 reactor became the first to win restart approval from local municipalities among the reactors affected by the March 2011 earthquake and tsunami, which hit the Tohoku northeastern region, including Miyagi, particularly hard.
   Tohoku Electric, based in Sendai, Miyagi's capital, will engage in work to make the plant safer, aiming to restart the 825,000-kilowatt reactor in fiscal 2022 at the earliest.
   The assemblies of Miyagi, Ishinomaki and Onagawa have already gave their approval for the restart of the reactor.