魚の現場にもAI マグロ目利きやサンマ漁
経験や勘がものを言う魚市場での目利きや漁業の現場で、人工知能(AI)が活用され始めている。マグロの身質を評価したり、サンマの漁場を推定したりと、熟練の技術を簡単に再現できるため、水産関係者から注目を集めている。
鮮度や脂の乗り、身の締まり具合などが決め手となる魚の目利き。「10年以上の経験が必要」(魚市場関係者)とも言われるが、電通(東京)などは、誰でも簡単においしいマグロをスマホで識別できる専用アプリ「TUNA SCOPE」を開発、実用化した。
電通によると、このアプリではベテラン職人たちが大量の冷凍マグロの尾の断面画像をそれぞれの視点で評価し、その傾向を学習したAIが瞬時に結果を表示する。
経験がなくてもスマホをかざせば、身質の良さを3~5段階で評価できるため、水産加工場で利用が進んでいる。現在はキハダマグロの判定に使用され、回転ずしチェーンがこのマグロを提供。店側からも好評という。
今後は「クロマグロやメバチマグロにも活用できるよう改良し、豊洲などの魚市場にも普及させたい」と電通担当者は意気込む。
一方、漁業情報サービスセンター(東京)は、記録的な不漁に見舞われているサンマの漁場をAIで推定し、海面図で漁業者に知らせることに成功。海水温などのデータをインターネットで配信するシステム「エビスくん」に追加して情報提供している。
漁場の推定は、15年以上にわたる海水温や漁業者から得た漁獲の情報に加え、「年ごとの(サンマの漁場形成の)特徴や、資源状態、季節による漁場位置の推移が基になっている」(同センター)という。
サンマ漁はこれまで「海水温のデータや、各船頭の経験などにより、ポイントを探し当てることが多かった」(同)。魚群探知機では漁船の周辺しか分からないためだが、漁業関係者は「広い海域をカバーするAI活用の推定図は役立つ」と話し、今後の漁回復に期待を寄せている。(2020/10/17-13:32)
Japan Fish Industries Utilizing Artificial Intelligence
Japanese fish industries are starting to use artificial intelligence to select high-quality fish at markets and find good fishing grounds, areas where they have relied largely on experience and intuition.
AI tools are drawing attention because they can easily replicate proficient skills, including those needed to evaluate tuna quality and determine likely locations of fishing grounds for saury.
When judging the quality of fish, buyers look at how fresh and firm the meat is and how much fat it puts on.
"You need over 10 years of experience" to acquire an excellent eye, a fish market worker said.
Japanese advertising giant Dentsu Inc. and others jointly developed and put into practical use a smartphone app that enables users to easily pick out delicious tuna using AI technology.
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