大学、対面授業再開へ　感染防止「ハイブリッド型」―「自粛いつまで」不満も

　新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、多くの大学が後期の秋から対面授業を再開する。感染リスクを考慮し、オンラインと対面を併用する「ハイブリッド型」が主流となりそうだ。大学側はクラスター（感染者集団）発生防止に神経をとがらせるが、学生からは「いつまで自粛が続くのか」と不満も漏れる。
　東京大は、学部の１、２年が前期課程を過ごす駒場キャンパス（東京都目黒区）に滞在する学生を平常時の３分の１に抑制する。特に１年を優先し、必修科目の語学などは「偶数週は対面、奇数週はオンライン」で運用。履修登録によって個人差はあるが、１年は２～３割、２年は１～２割の対面授業を予定している。
　対面授業でキャンパスに来た学生が、その前後のオンライン授業も受けられるよう、無線通信Ｗｉ―Ｆｉ（ワイファイ）や電源を整備。学生や教職員のＰＣＲ検査や抗原定量検査も実施予定で、「感染を防ぎながら大学が本来の機能を発揮できるようにしていく」（広報課）という。
　「原則、対面授業の実施」を打ち出した関西大（大阪府吹田市）は、２５０人以上の学生を対象とした講義のみをオンラインとし、対面を８割と見込む。学生には感染リスクの高い行為を慎むよう求めており、７割が対面予定の同志社大（京都市）などと連名で、「コンパ・飲み会・食事会を当面自粛することを強く求めたい」とする共同声明を発表した。
　文部科学省によると、全国の国公私立大学・短大１００３校のうち、８２４校が後期授業で対面とオンラインを併用。うち４４％は「対面が３割以下」と回答し、なお慎重姿勢が目立つ。
　都内の私立大２年の女子学生（１９）は後期もすべてオンライン。理系の学部は対面が再開するが、所属する文系学部では皆無だった。「大学からは何の説明もない。来春もオンラインになってしまうのでは」と心配する。英語教育に魅力を感じ、今年４月に大阪府の私立大３年に編入した女子学生（２０）も、後期の履修科目に対面の授業はなし。「大学は『一部対面再開』と言うが、９９％はオンライン。せめて卒業までには対面授業をしてほしい」と訴えている。（2020/09/23-13:32）

   Tokyo, Sept. 26 (Jiji Press)-Many universities in Japan are set to resume face-to-face classes, albeit partially, in the second half of the current academic year, which starts in autumn, while taking all possible measures against the novel coronavirus.
   Most of them are expected to adopt a "hybrid" system in which both online and face-to-face systems are used to reduce infection risks.
   With the coronavirus crisis persisting in the country, universities are concerned about clusters of infection happening, but students are eagerly awaiting the full restart of face-to-face lessons.
   The University of Tokyo will reduce the number of students at its Komaba campus in Tokyo's Meguro Ward, where first- and second-year students take classes, to one-third of the level in normal times.
   The university will conduct compulsory courses, such as language classes, in person in even number weeks and online in odd number weeks. Face-to-face classes are expected to account for 20-30 pct of all classes for first-year students and 10-20 pct for students in the second year, according to the university.