2020.08.25 07:05Nation

米欧ファンドが対日投資強化 コロナ禍、再編視野

 米欧の巨大投資ファンドが日本企業への投資を強化している。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、製造業を中心に大規模な事業再編が増えると見込んでいるためだ。成長が停滞する事業を抱える日本企業は多いとされ、外資が受け皿となって子会社や事業の売却を後押ししそうだ。
 「危機からデジタル化などの変革が進む」。米カーライル・グループの大塚博行日本副代表はこう強調する。企業で非中核事業を売却する動きが加速するとみている。
 カーライルは今年に入り、これまで注力してきた中堅企業に加え、数千億円規模の大企業への投資を目標に掲げた。複合企業が持つ子会社・事業部門の買収を模索している。外出自粛の影響が直撃した外食・観光業でも「良い経営資源を持つ企業であれば支援したい」(大塚氏)という。
 2018年に日本企業投資部門を発足させた米ブラックストーン・グループは年間1000億円規模を日本に投資する方針。同部門の坂本篤彦代表は「良い案件があれば(方針以上の規模でも)積極的に投資したい」と語り、医薬品に加えて物流サービスと、危機後の回復を見込む訪日客関連事業を注視する分野に挙げた。は24日、大衆薬子会社をブラックストーンに売却すると発表した。
 「スシロー」買収を手掛けた英・欧州系ペルミラの藤井良太郎日本代表は「(コロナによる)経済的打撃は時間をかけて複合的に出る」と分析。流通・ヘルスケアなどへの投資機会を探る。日産自動車系の部品メーカー、カルソニックカンセイ(現マレリ)を買収した米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)も、日本を重要市場に位置付ける。
 日米欧の金融緩和政策による大量の資金供給を受け、ファンドにとって資金を調達しやすい環境が続く。金融関係者は「米欧ファンドの出番が増えそうだ」と指摘。事業再編の受け皿として存在感が増すとみている。(2020/08/25-07:05)

2020.08.25 07:05Nation

European, U.S. Funds Stepping Up "Japan Buying" amid Virus Crisis


Major European and U.S. investment funds are boosting acquisitions of stakes in Japanese companies in anticipation for full-fledged industrial realignment in the country amid the coronavirus crisis.
   Hiroyuki Otsuka, deputy head for U.S. investment firm Carlyle Group Inc.'s operations in Japan, predicted that more and more firms will sell non-core operations as the crisis "should accelerate moves for change, such as digitization."
   Carlyle, which has been focusing on midsize Japanese firms, aims to invest hundreds of billions of yen in conglomerates this year, particularly seeking deals to acquire their subsidiaries and operations.
   Even in the coronavirus-battered restaurant and tourism industries, the fund "will offer assistance if firms with good management resources are found," Otsuka noted.
   Blackstone Group Inc. of the United States plans to pour some 100 billion yen in Japan each year.

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