2020.08.12 13:12World eye
TikTokで快進撃のはずが…創業者の張CEO、国内外の圧力で板挟み
【北京AFP=時事】十代の間で動画共有アプリ「ティックトック」ブームを巻き起こした中国人富豪の張一鳴氏(37)はITの第一人者で、若い世代のトレンドを見極めて同アプリを世界的に大ヒットさせた。だが同氏の独創性は、ティックトックの運営企業を収益性の高い米市場で生き残らせるには十分ではないようだ。(写真は資料写真)
張氏は、世界に対してティックトックは安全保障上、何の問題もないアプリだと保証しようと努めながら、同時に、自国内では欧米諸国の要求に屈しているわけではないことをアピールして自らのイメージを守るという多大な圧力を受けている。
同氏のスタートアップ企業、バイトダンス(字節跳動)がリリースしたティックトックのフィードには、髪染めのコツからダンスのステップ、日常の面白動画など、ありとあらゆる短編動画が万華鏡のように次々に現れる。
元プログラマーの張氏はバイトダンスによってIT業界の多くの大物を追い越し、一躍、中国の最富裕層に仲間入りした。
東京を拠点とする「秋田みちのくキャピタル」のアナリストによると、バイトダンスは2019年の収益を前年の約74億ドル(約7800億円)から2倍以上に増やし、グーグルの親会社アルファベットやフェイスブックに「太刀打ちできる競争相手」となった。
国内外で一連の買収が続いたが、バイトダンスの飛躍のきっかけはティックトックだ。3年前にリリースされた同アプリはこれまでに世界で20億回以上ダウンロードされている。海外市場の二大トップシェアを占めていたのはインドと米国だ。
バイトダンスは今や30か国で6万人以上の従業員を擁し、張氏は3月、さらに約4万人の増員計画を発表した。中国の電子商取引大手アリババ(阿里巴巴)の雇用数に迫る勢いだ。同社はさらに6日、欧州ユーザー向けでは初となるデータセンターをアイルランドに開設する計画を発表した。
■インドという巨大市場を失った次はトランプ大統領の標的に
だがティックトックは今年になって、中国の対外関係が悪化したあおりを受け、快進撃に水を差された。
インド政府は、国内北東部の国境地帯で同国軍と中国軍の間で死者を出す衝突が起きた後にティックトックの使用を禁止。バイトダンスはインドという巨大な市場を失った。さらに、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と同じく、中国の情報機関にユーザー情報の共有を強要されている可能性があるとの懸念から、厳しい視線を注がれるようにもなった。
バイトダンスは、中国政府にユーザー情報を提供したことは一切なく、たとえ依頼されても提供はしないと主張。だがドナルド・トランプ米大統領は今月、ティックトックの米運営会社を6週間以内に米企業に売却しない限り、ティックトックの運営を停止すると発表した。
こうした事態が他国でのティックトック事業にどのような影響を及ぼすのかは不明だ。だが米政府は、他国に強要してファーウェイと第5世代(5G)移動通信網を拒絶させることにおおむね成功している。
張氏はたとえティックトックの売却に合意して巨額の富を手に入れたとしても、中国での批判は必至だ。国内の一部のナショナリストからは、もし張氏が売却に応じるなら、バイトダンスをボイコットしようとの呼び掛けが始まっている。
米ペンシルベニア州にあるバックネル大学国際関係学部長のジクン・シュ教授は、「バイトダンスにとって難題なのは、その成長が米中の緊張激化と一致していることだ」と指摘する。「米中の技術競争の犠牲者になっている」
米マイクロソフトが、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおけるティックトック事業の買収候補として浮上しているが、見通しはまだ立たない。
いずれにせよ、ティックトックの運営企業はおとなしく引き下がるつもりはない。先週、「グローバル企業化」を改めて打ち出し、米国以外に本社を移転する計画を発表したばかりだ。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/08/12-13:12)
張氏は、世界に対してティックトックは安全保障上、何の問題もないアプリだと保証しようと努めながら、同時に、自国内では欧米諸国の要求に屈しているわけではないことをアピールして自らのイメージを守るという多大な圧力を受けている。
同氏のスタートアップ企業、バイトダンス(字節跳動)がリリースしたティックトックのフィードには、髪染めのコツからダンスのステップ、日常の面白動画など、ありとあらゆる短編動画が万華鏡のように次々に現れる。
元プログラマーの張氏はバイトダンスによってIT業界の多くの大物を追い越し、一躍、中国の最富裕層に仲間入りした。
東京を拠点とする「秋田みちのくキャピタル」のアナリストによると、バイトダンスは2019年の収益を前年の約74億ドル(約7800億円)から2倍以上に増やし、グーグルの親会社アルファベットやフェイスブックに「太刀打ちできる競争相手」となった。
国内外で一連の買収が続いたが、バイトダンスの飛躍のきっかけはティックトックだ。3年前にリリースされた同アプリはこれまでに世界で20億回以上ダウンロードされている。海外市場の二大トップシェアを占めていたのはインドと米国だ。
バイトダンスは今や30か国で6万人以上の従業員を擁し、張氏は3月、さらに約4万人の増員計画を発表した。中国の電子商取引大手アリババ(阿里巴巴)の雇用数に迫る勢いだ。同社はさらに6日、欧州ユーザー向けでは初となるデータセンターをアイルランドに開設する計画を発表した。
■インドという巨大市場を失った次はトランプ大統領の標的に
だがティックトックは今年になって、中国の対外関係が悪化したあおりを受け、快進撃に水を差された。
インド政府は、国内北東部の国境地帯で同国軍と中国軍の間で死者を出す衝突が起きた後にティックトックの使用を禁止。バイトダンスはインドという巨大な市場を失った。さらに、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と同じく、中国の情報機関にユーザー情報の共有を強要されている可能性があるとの懸念から、厳しい視線を注がれるようにもなった。
バイトダンスは、中国政府にユーザー情報を提供したことは一切なく、たとえ依頼されても提供はしないと主張。だがドナルド・トランプ米大統領は今月、ティックトックの米運営会社を6週間以内に米企業に売却しない限り、ティックトックの運営を停止すると発表した。
こうした事態が他国でのティックトック事業にどのような影響を及ぼすのかは不明だ。だが米政府は、他国に強要してファーウェイと第5世代(5G)移動通信網を拒絶させることにおおむね成功している。
張氏はたとえティックトックの売却に合意して巨額の富を手に入れたとしても、中国での批判は必至だ。国内の一部のナショナリストからは、もし張氏が売却に応じるなら、バイトダンスをボイコットしようとの呼び掛けが始まっている。
米ペンシルベニア州にあるバックネル大学国際関係学部長のジクン・シュ教授は、「バイトダンスにとって難題なのは、その成長が米中の緊張激化と一致していることだ」と指摘する。「米中の技術競争の犠牲者になっている」
米マイクロソフトが、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドにおけるティックトック事業の買収候補として浮上しているが、見通しはまだ立たない。
いずれにせよ、ティックトックの運営企業はおとなしく引き下がるつもりはない。先週、「グローバル企業化」を改めて打ち出し、米国以外に本社を移転する計画を発表したばかりだ。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/08/12-13:12)
2020.08.12 13:12World eye
TikTok-- Time running out for ByteDance boss
The Chinese billionaire behind teen phenomenon TikTok is a 37-year-old tech guru whose eye for youth trends has blasted the app to global success ?- but his inventiveness may not be enough to save the company's lucrative US market.
Zhang Yiming finds himself under enormous pressure as he tries to assure the world that TikTok is safe and secure, while also protecting his image at home by not appearing to give in to demands from the West.
An offshoot of Zhang's ByteDance startup, TikTok's kaleidoscopic feeds of short video clips feature everything from hair dye tutorials to dance routines and jokes about daily life.
It is the international version of ByteDance's domestic Douyin app, and the separation of the two shows how the canny Zhang has tried to play the free-wheeling global market while also staying on the right side of China's strict internet authorities.
The attempt to have a foot in both camps is looking increasingly precarious, however, as TikTok tries to thread its way through rising tensions between Washington and Beijing.
Zhang has now been given just six weeks to find a buyer for the app in the United States or have it banned in its second biggest market.
ByteDance has taken Zhang -- a programmer before he became a businessman -- to the highest echelons of China's billionaire club, surpassing many more-established tech tycoons.
Analysts at Tokyo-based Akita Michinoku Capital estimate that last year the company more than doubled its 2018 revenue of around $7.4 billion, adding it was becoming a viable competitor to Facebook and Google-parent Alphabet.
- Two billion downloads -
TikTok was designed on the back of Zhang's pioneering use of artificial intelligence, which earlier found success in China with the flagship news aggregation app Jinri Toutiao.
A series of local and foreign acquisitions followed, but it was the launch of TikTok that really took the company to the next level.
It has been downloaded over two billion times worldwide since it launched three years ago, with India and the US forming the top two international markets.
ByteDance now has over 60,000 staff in 30 countries, and in March Zhang said they were looking to recruit around 40,000 more -- bringing it close to the headcount of Chinese e-commerce giant Alibaba.
The company also announced plans Thursday for its first data centre for European users, to be set up in Ireland.
But TikTok's meteoric rise has been interrupted this year as the company found itself a casualty of China's worsening global relationships.
It lost one massive market after New Delhi banned the app following a bloody border clash between Indian and Chinese troops in the northeast.
And like telecoms giant Huawei, it came under scrutiny after concerns that ByteDance could be forced to share user information with Chinese intelligence.
The company insists it has never provided user data to the Chinese government -- and wouldn't even if asked.
Still, President Donald Trump demanded this month that the US operations of TikTok be sold within six weeks to an American company, or it would be shut down.
- Strong-arm tactics -
It is not clear what effect this might have on the rest of its international operations, but Washington has largely succeeded in strong-arming the rest of the world into spurning Huawei and its 5G technology.
Even if Zhang agrees to sell TikTok and pocket a fortune, he faces anger at home as some nationalistic voices in China have begun calling for a boycott of ByteDance if he lets that happen.
A big challenge for ByteDance is that its rise coincides with growing tensions between China and the United States, said Zhiqun Zhu, chair of the international relations department at Bucknell University in the US.
It has become a victim of the US-China technological competition.
While Microsoft has emerged as a contender to purchase its services in the US, Canada, Australia and New Zealand, any sale looks far from certain.
In any event, TikTok is not going down without a fight.
The company this week restated its plan to become a global company and to re-establish TikTok's headquarters outside the US.
TikTok has always operated as a global enterprise with its leadership team operating out of multiple markets around the world outside of China, a company spokeswoman said.
We expect that to continue for the foreseeable future.
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