ダム貯蔵酒で地域活性化=熟成に期待、9日発売-長野
長野県営ダムで今春から、日本酒を貯蔵する取り組みが始まった。ダム内のトンネルが低温に保たれ、熟成条件が整っていることに着目。県東部の佐久穂町が発案し、県と地元酒造会社の協力を得て実現した。一部が搬出され、秋の訪れを感じさせる「ひやおろし」として9日から販売される。ダムファンにもアピールして地域活性化を狙う。
ダムを管理する県佐久建設事務所によると、地元の酒造会社7社でつくる「佐久SAKE Aging研究会」が、余地ダムと古谷ダムの2カ所で実施。いずれも治水が主目的のダムで、管理や建設のために設けられたトンネルの空きスペースを活用した。
余地ダムでは一升瓶(1800ミリリットル)や720ミリリットルの瓶計約2600本を4月に搬入。8月29日に運び出され、今月9日から各社が店頭やインターネットなどを通じて全国に販売。古谷ダムには計約1300本を搬入し、複数年にわたって貯蔵する計画だという。
研究会代表の黒澤酒造(同町)によると、ダム内部は8月でも10度ほど。常温や冷蔵庫に比べ、一定の温度で緩やかな熟成が期待できる。発売する商品には「ダム熟」と表示。試飲した黒澤孝夫社長(44)は「程よく熟成してちょうど良いところに落ち着いた。甘み、うまみ、酸味が調和している」と話す。
佐久建設事務所などによると、数年前からダム見学を趣味とする人がダムカード入手を目当てに町を訪れており、担当者は「地域の活性化につなげたい」と話している。(2019/09/06-16:31)
Project to Store Sake at Dams Launched in Nagano Pref.
A project to store sake at dams managed by the Nagano prefectural government has been launched, in hopes to revitalize the region by promoting the move among dam enthusiasts.
The town government of Sakuho in the central Japan prefecture came up with the idea and materialized it in spring this year, with the help of the prefectural government and local brewing companies.
On Monday, the breweries started selling some of the sake as "hiyaoroshi," sake that signals the arrival of autumn.
The Sakuho and Nagano governments, as well as the sake breweries, focused on the right conditions at the dams for aging sake, as temperatures within the tunnels at such facilities are kept low.
According to the operator of the dams, a group made up of the seven local breweries has stored sake in Yoji and Koya dams, which are both mainly for flood control.
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