2020.05.25 07:09Nation

都知事選、野党の擁立難航 コロナ禍背景に「不戦敗」も

 東京都知事選(7月5日投開票)が6月18日の告示まで1カ月を切る中、野党の候補者擁立作業が難航している。再選出馬が確実視される小池百合子知事(67)は、都の新型コロナウイルス感染症対策で強い存在感を放つ。野党陣営では、小池氏を敵に回すのは得策でないとの判断から「不戦敗」を容認する声すら出始めた。
 「まだ1カ月近くある。しかるべきときに判断すればいい」。立憲民主党の代表は21日、記者団から都知事選への対応を問われ、こう言葉を濁した。
 都知事選に向け、立憲、国民民主、共産、社民の野党4党は、統一候補擁立を目指す方針で一致していた。しかし、春先からの新型コロナ感染拡大で政治情勢は一変。小池氏は都のコロナ対策の陣頭指揮に立つ様子が連日報じられ、露出度を飛躍的に高めた。
 こうした状況に、国民の代表は18日、記者団に「現場の司令官である知事の足を引っ張っていいのか」と厭戦(えんせん)論を口にした。野党ベテラン議員は、都内の感染者が5000人規模に上ることに触れ、「都知事選には関わらない方がいい。不戦敗だ」と漏らす。
 候補者選びは本命不在だ。立憲は今年3月、前川喜平元文部科学事務次官(65)に出馬を打診したものの、前川氏は固辞。一時、待望論があったれいわ新選組の山本太郎代表(45)は4月末、「小池氏の圧勝だろう。なかなか難しい」と述べ、二の足を踏んだ。共産党が宇都宮健児元日弁連会長(73)を推すとの見方があるが、立憲、国民両党は革新色が強過ぎるとみて消極的だ。
 ただ、立憲にとって小池氏は2017年10月の前回衆院選で、旧希望の党代表として自分たちを「排除」した因縁の相手とあって、対立候補擁立は容易に諦められない。都連幹部は、16年参院選東京選挙区で110万票余りを得てトップ当選を果たした氏(52)に粘り強く出馬を働き掛けているが、関係者は「出ないと思う」と明かす。
 自民党は既に、独自候補擁立を断念。党本部は、小池氏の推薦も視野に対応を検討している。(2020/05/25-07:09)

2020.05.25 07:09Nation

Japan Opposition Struggling over Tokyo Governor Race Candidate


Major Japanese opposition parties are finding difficulties in fielding a candidate for the Tokyo gubernatorial election scheduled for July 5.
   Some opposition figures have resigned themselves to accepting the re-election of incumbent Yuriko Koike, 67. They find it unwise to put up a challenger to the governor, who is riding on a wave of popularity from the capital's fight against COVID-19.
   "We still have nearly a month" until candidacies must be registered on June 18, Yukio Edano, head of the main opposition Constitutional Democratic Party of Japan, said Thursday.
   The CDPJ, the Democratic Party for the People, the Japanese Communist Party and the Social Democratic Party had agreed to field a unified candidate for the Tokyo gubernatorial election.
   But the political situation has changed due to the spread of the novel coronavirus. Koike took a leading role in dealing with the crisis, resulting in a spike in her media exposure.

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