金融の機能不全警戒 コロナ対応「何でもやる」―黒田日銀総裁が内外情勢調査会講演
黒田東彦日銀総裁は14日、インターネットを通じた内外情勢調査会の講演で、新型コロナウイルス感染拡大の影響について「大企業、中小企業とも資金繰りが悪化している」と述べた。その上で「わが国の金融システムにかかるストレスは高まっており、一段と注意が必要だ」と指摘。企業業績の悪化で銀行の財務健全性が損なわれ、金融システムが機能不全に陥る可能性に警戒感を示した。
黒田総裁は「当面の最優先課題は、感染症拡大を抑え込むまで雇用、事業、国民生活を守ることだ」と強調。円滑な資金調達や金融市場の安定を維持するため「中央銀行としてできることを何でもやる」と語り、必要があればさらなる金融緩和も辞さない考えを表明した。
4月に追加緩和策の一環として拡充した企業金融支援策に関しては、既に74金融機関が利用を始めたと説明。メガバンクではこれを活用して調達した資金でファンドを設立し、運転資金などを貸し付ける動きも出ていると指摘した。
先行きについては「(コロナ禍による)経済活動抑制の影響を予測する難しさがあり、収束後の経済の改善ペースも不確実だ」と言及。4月に公表した経済予測で、2022年度の物価上昇率見通しを前年度比0.4~1.0%としたのを踏まえ「2%の物価目標実現は、見通し期間を超えて、かなりの時間がかかる」との認識を示した。(2020/05/14-17:04)
BOJ Sees Need to Pay Further Attention to Coronavirus Fallout
Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda said Thursday that further attention should be paid to the impact of the coronavirus pandemic on the country's financial system.
"With the economy in an increasingly severe situation, the stress on the financial system has been growing in Japan," Kuroda said in a webcast hosted by Jiji Press' Research Institute of Japan.
"It is necessary to pay further attention to the circumstances," the BOJ chief said, adding that financial markets "have remained nervous due to a decline in liquidity."
Meanwhile, Kuroda pointed out that inflation in Japan is "expected to be somewhat weak for the time being" but "likely to increase gradually" if the pandemic's impact recedes.
Kuroda reiterated that the central bank "will not hesitate to take additional easing measures if necessary" to shore up economic and financial activities.
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