「在宅ストレスで夫が暴力」 DV、虐待の深刻化懸念―新型コロナ
「在宅ワークでストレスがたまり、夫が暴力を振るう」。新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務や休校に伴う自宅待機が長期化する中、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待の被害を訴える相談が寄せられるようになり、支援団体などから深刻化を懸念する声が上がっている。
問題を抱える10~20代の女性を支援する「BONDプロジェクト」に、20代前半の女性から相談があった。これまでも同居の男性から殴る蹴るなどの暴行を受けていたが、男性が在宅勤務になると暴力はさらに強く、長時間になった。1日のほとんどを家で過ごすため、女性は監視下に置かれたような状態になり、逃げることも難しいという。
10代女性は親からの虐待に悩んでいた。それでも、学校に行き、遅くに帰宅することで親と顔を合わせる時間を短くし、何とかやり過ごしていた。しかし、学校が休みになって自宅にいる時間が増えるに従い、親からの言葉の暴力にさらされるようになった。逃げ場を失った女性は、自宅でおびえた日々を過ごしていると同団体に話した。
DV被害は、東日本大震災やリーマン・ショックの後にも深刻化した。民間シェルター「女性の家HELP」の担当者は「イライラしたり無気力になったりすると、家族に暴力が向いてしまうことがある。気の持ちようではどうにもならない不安が続くと、誰にでも起こりうることだ」と指摘する。
内閣府によると、自治体などに寄せられた相談数にはまだ変化は表れていない。しかし、支援団体は「配偶者や子どもが在宅する環境では、電話相談をためらう被害者も多い」とする。内閣府は、メールやチャットでも相談ができる「DV相談+(プラス)」を開設しており、「気軽に相談を」と呼び掛けている。(2020/05/05-06:54)
Domestic Violence Consultations Increase in Japan amid Pandemic
Workplace and school closures related to the COVID-19 pandemic have led to an increase in domestic violence and child abuse consultations in Japan.
Support groups fear that potential victims may face higher risks as many people stay at home due to the epidemic.
The Bond Project, an organization supporting females in their 10s and 20s, received a consultation from a woman in her early 20s.
She had been kicked and punched by a man with whom she shares her home from before, and the violence escalated and continued for longer after he started working from home.
As the woman spends almost all of her day indoors, she is virtually placed under constant surveillance, making it difficult to run away from her predicament.
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