蚊が暗闇で飛べる秘密解明 かすかな気流で障害感知―千葉大など
真っ暗な部屋の中でも蚊が自由に飛べるのはなぜか―。未解明だったこんな疑問を千葉大などの国際研究チームが数値計算などで解き明かし、8日、米科学誌サイエンスに発表した。自らの羽ばたきで起こした気流が、壁などの障害物にぶつかってわずかな乱れを起こすのを触角の根元にある「超高感度センサー」で感知しているからだという。
千葉大の中田敏是助教と英王立獣医大などの研究チームは、高速度カメラによる蚊の3次元運動測定やシミュレーションなどから、体長約4ミリの蚊の羽ばたきによって生じる気流を数値計算で詳細に再現。その結果、体長の10倍近い3~4センチ離れた壁や床などの障害物にぶつかって生じる気流の乱れでも、触角の根元にある感覚器官(ジョンストン器官)で感知可能であることが分かった。
この知見を基に、ドローンに気流の変動センサー機能を付けたところ、同様の仕組みで壁や床を検知できることも実証した。
中田助教は「蚊は最も人を殺す生き物といわれるほど影響が大きいのに、分かっていないことが多い。薬品なしでも飛べない環境をつくるなど、防除や制御につなげていければ」と話している。(2020/05/08-20:33)
Chiba Univ., Others Find Out How Mosquitoes Fly in Dark
An international research team including Japan's Chiba University has unraveled through numerical calculations and other methods the mystery of how mosquitoes fly freely in a dark room.
Mosquitoes detect faint changes in the airflow caused by the flapping of their wings after it hits obstacles such as walls, through ultrasensitive sensors located at the root of their antennae, the team said in the U.S. journal Science on Friday.
The team includes Toshiyuki Nakata, an assistant professor at Chiba University, and Britain's Royal Veterinary College.
Through three-dimensional motion measurements of mosquitoes using high-speed cameras and simulations, the team used numerical calculations to recreate the airflow caused by a 4-millimeter-long mosquito beating its wings.
The team found out that the Johnston's organ, a sensory organ, can detect the airflow changing after coming into contact with obstacles, including walls and floors, located some 3 to 4 centimeters away.
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