月から流出する炭素、初観測 探査機「かぐや」で―阪大など
大阪大などの研究チームは、探査機「かぐや」の観測で、月の表面全体から宇宙空間に流出する炭素を捉えたと発表した。月には炭素はほとんど存在しないと考えられてきたが、成果は月の誕生過程の見直しにつながる可能性もある。論文は7日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載される。
月の起源は、原始地球に火星サイズの天体が衝突し、現在の地球と月が誕生したとする「巨大衝突説」が有力。月は衝突時に高温の火球になったため、炭素のような揮発性物質は蒸発し、ほとんど存在しないと考えられてきた。
大阪大の横田勝一郎准教授らは、日本の月周回探査機「かぐや」が搭載していたプラズマ観測装置のデータを解析。月の表面全体から炭素イオンが流出していることが分かった。流出量は場所によって異なり、高地よりも「海」と呼ばれる過去の火山活動で噴き出た溶岩が固まった部分の方が多かった。
シミュレーションの発達により、どのような巨大衝突で現在の地球や月が誕生するかの研究が進められている。横田准教授は「巨大衝突説は疑いはないが、高温の状態が長く続かないとか、温度が若干低いとか、今まで含めていない効果を考える必要がある」と話している。(2020/05/07-03:06)
Japanese Team Observes Carbon Emitting from Moon
A Japanese research group has observed carbon emitting from almost the entire surface of the moon, using Kaguya, a Lunar explorer of the Japan Aerospace Exploration Agency, or JAXA.
An article about the team's finding will be published on U.S. journal Science Advances on Thursday.
The discovery may prompt a review of conventional theories on the process of how the moon came to be, since it has been thought that almost no carbon exists on the astronomical body that orbits Earth.
The widely accepted theory at present is the so-called giant-impact hypothesis that the moon was formed as a result of a collision between ancient Earth and a Mars-sized celestial body. Carbon and other volatile elements on the moon are believed to have evaporated at the time of the impact, which made it a high-temperature fireball.
Analyzing data from a plasma observation device mounted on Kaguya, Shoichiro Yokota, associate professor at Osaka University, and other members of the team found that carbon ions are emitting from almost the whole surface of the moon.
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