緊急事態、大幅延長に慎重 国民の不満懸念、月末にも判断―全面解除見通せず―政府
新型コロナウイルスの感染拡大で発令された緊急事態宣言は、大型連休最終日の5月6日に期限を迎える。国内の状況は全面解除するにはほど遠く、政府関係者らの多くは「延長は不可避」とみる。一方で外出自粛や店舗休業が長引けば国民の不満が強まると予想され、政府は大幅な延長には慎重だ。今月30日にも安倍晋三首相が決断するとの見方が出ている。
東京都で連日100人を超す感染者が新たに確認されるなど、国内の感染は収束の兆しが見えない。このため、「今のままでは5月6日で終わる感じはしない」(政府関係者)との受け止めが支配的。「9カ月間の自粛継続」を主張する専門家もいるという。
しかし、来夏の東京五輪・パラリンピック実現に向け経済のV字回復を目指す政権幹部は、大幅延長に後ろ向きだ。ある政府関係者は延長幅について「連休明けから1週間程度」と予測し、「それぐらいが自粛を我慢できる限度だ」と指摘。別の政府関係者は「5月末まで延長せざるを得ない」との認識を示した。
政府に対策を助言する専門家会議は、(1)接触機会8割減目標の達成度(2)感染者数の推移(3)医療現場の状況―を総合的に判断し、延長の是非を判断する方針だ。延長する場合も、従来の自粛要請を継続する案や強化する案、部分的に緩和する案など複数の選択肢を検討。期限に先立ち、基本的な考え方を公表する方向で調整している。
専門家会議のメンバーは「国民が納得し『これなら頑張れる』と思える説明をしないといけない」と語り、「出口」の見通しを明示することを重視する。ただ、政府関係者からは「数値で『こうなったら解除』と言うのは、なかなか難しい」との声が漏れる。
判断を示す時期も焦点だ。2020年度補正予算案の成立が見込まれる今月30日に首相が記者会見で方向性を示すのではないかとの観測が出ている。これに対し、政府高官は連休中の人の動きを見る必要があるとの立場から「30日はまだ判断する時期ではない」と語る。
政府が緊急事態宣言を解除・延長する場合は国会への事前報告が原則として求められている。立憲民主党幹部は「店や学校の準備を考えると、5月1日には決めるべきだ」と指摘した。(2020/04/26-07:10)
Japan Cautious about Extending State of Emergency Considerably
The Japanese government is cautious about extending the state of emergency over the coronavirus crisis considerably as public frustration is expected to increase over business suspensions and restrictions on going out.
The emergency declaration is currently set to remain in place until May 6, the last day of the country's Golden Week holiday period from late April.
Many officials view an extension as inevitable since the rising number of COVID-19 infections does not warrant the full lifting of the state of emergency.
With Tokyo seeing over 100 new coronavirus cases every day recently, it is unlikely Japan can put the outbreak under control anytime soon.
"I don't think (the emergency period) will end on May 6 if things remain as they are," a government source said. Some experts call for nine months of restrictions on going out.
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