2020.04.25 11:51Nation

安全誓い、犠牲者悼む 新型コロナで慰霊式中止―福知山線事故から15年

JR福知山線脱線事故の現場付近を通過する電車=25日午前、兵庫県尼崎市

JR福知山線脱線事故の現場付近を通過する電車=25日午前、兵庫県尼崎市

 兵庫県尼崎市で乗客106人が死亡、562人が重軽傷を負ったは25日、発生から15年を迎えた。JR西日本は事故後に入社した社員が半数を超え、風化を懸念する声も聞かれる中、関係者は改めて再発防止を誓った。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、慰霊式は初めて中止された。JR西の長谷川一明社長は同日、役員らと共に事故現場を整備した「祈りの杜」を訪れ、献花した。
 長谷川社長は「時を経ても、世代が代わっても、安全性の向上に努めていかなくてはならない」と決意を新たにした。

献花後、慰霊碑に頭を下げるJR西日本の長谷川一明社長=25日、兵庫県尼崎市(代表撮影)

献花後、慰霊碑に頭を下げるJR西日本の長谷川一明社長=25日、兵庫県尼崎市(代表撮影)

 JR西では今春、事故後に入社した人が52.1%となり、初めて半数を超えた。世代交代が進む中、安全意識を高める取り組みが求められている。
 同社は昨年11月、事故車両を研修施設で一括保存する方針を表明した。一般公開はせず、社員の安全教育に活用するという。
 3両目に乗り合わせ、重傷を負った玉置富美子さん(70)=兵庫県伊丹市=は、今も後遺症の痛みに苦しむ。これまでは事故現場で手を合わせてきたが、今年は自宅で犠牲者に「忘れないよ」と語り掛けた。「ちょっとした油断が事故を起こすということを思い返す日。JR西は相手の立場になって考える企業になってほしい」と話した。
 当時54歳の妻を亡くした男性(70)も、今年は自宅で犠牲者の冥福を祈った。「再発防止を胸に刻み、被害者に向き合い続けてほしい」とJR西を見守り続けるという。(2020/04/25-11:51)

2020.04.25 11:51Nation

Western Japan Fatal Train Crash Marks 15th Anniversary


Japan on Saturday reached the 15th anniversary of the Fukuchiyama Line train crash in Amagasaki in the western prefecture of Hyogo, which killed 106 passengers and injured 562 others.
   Officials of West Japan Railway Co. , known as JR West, which operates the train line, renewed their vow to prevent any recurrence of a similar accident.
   This year, a memorial ceremony for the victims was canceled for the first time amid the spread of the novel coronavirus.
   On Saturday, JR West President Kazuaki Hasegawa, along with other officials, visited the "Inori no Mori" memorial facility built on the accident scene and laid flowers.
   "Even if time goes by and generations change, we must continue efforts to improve safety," Hasegawa said.

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