感染拡大、ホームレス苦境 炊き出し、空き缶減少―ネットカフェ休業も懸念
新型コロナウイルスの感染拡大で、支援者による炊き出しが減るなどし、ホームレスが苦境に陥っている。外出自粛で街から人が消え、空き缶拾いの収入も減少。自治体の要請でインターネットカフェが休業すれば、さらに多くの人が路上生活を強いられるとみられ、専門家は緊急に支援が必要と訴えている。
4日午後、東京・新宿の都庁前。民間団体が行った弁当配布、生活相談会には朝から約110人が列を作った。路上生活が長い中高年男性に交じり、身なりがきれいな若者も。揚げ物や卵焼きが入った弁当を受け取ると足早に立ち去った。
「感染前に飢え死にするよ」。先頭でラジオを聴いて並んでいた栃木県出身の男性(70)は、こう言っておどけた。3日朝から場所取りしており、「以前は毎日どこかで炊き出しをやっていたが、今は週3回くらいしかない」と肩をすくめた。
4日夜には渋谷駅近くの公園でも、別の団体による炊き出しが行われ、ホームレスと共に大鍋でまぜご飯を作っていた。参加者はマスク着用と手洗いを徹底し、ご飯はパック詰めして配布。列は徐々に長くなり、いつもの1.5倍以上という約180人が並んだ。
都の調査では、都内に約1000人のホームレスがおり、公園や道路、河川敷などで暮らす。
支援活動に長年携わってきた木村正人・高千穂大教授(社会学)によると、新型ウイルスの感染拡大による外出自粛要請で、都内では多くの支援団体が炊き出しを中止。花見シーズンで大量に集まるはずのアルミ缶もほとんど手に入らず、都が募集する公園清掃などの日雇い仕事も休止され、わずかな現金収入も激減した。
ネットカフェの休業も懸念される。寝泊まりする人は都内に約4000人いるとされ、居場所を失う可能性が高い。失業も相次いでおり、木村教授は「緊急の公的支援が不可欠だ。ホームレスは感染した場合のリスクも高く、個室住宅や食事の提供、生活保護の利用などを促すべきだ」と話した。(2020/04/09-20:31)
Coronavirus Deals Blow to Homeless in Japan
The coronavirus epidemic is threatening the lives of homeless people in Japan, as the number of soup kitchens has dwindled due to volunteers who run them staying home.
On Saturday, some 110 people gathered near the Tokyo metropolitan government building in Shinjuku Ward to receive free boxed meals and consult about life issues at an event hosted by a civil group. Young and old people alike hurriedly collected boxes of fried dishes and rolled egg and left.
"I'll starve to death before I get infected," a 70-year-old man originally from Tochigi Prefecture, who was one of the first to line up for the food boxes, said. He said he had been in line since Friday morning.
"Before, there were soup kitchens being held somewhere every day," he said. "Now, it's only about three times a week."
At another soup kitchen at a park near Shibuya Station on Saturday evening, a different civic group worked with homeless people to cook rice mixed with other foods. The group made sure to have participants wear masks and wash their hands, and to put the cooked rice in sealed containers.
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