2024.10.27 07:50Nation

迫る再稼働、拭えぬ不安 「いつ事故起きるか」―理解示す住民も・女川2号機

 東北電力は29日、女川原発2号機(宮城県)の原子炉を起動し、再稼働させる。2011年3月の東日本大震災後、東日本での原発再稼働は初めてで、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)としても初となる。地元住民からは再稼働への理解を示す声が聞かれる一方、「事故はいつ起きるか分からない」と不安視する人もいる。
 震災当時は1、3号機が運転中で、2号機は原子炉起動中だった。約13メートルの津波に襲われ、取水路を通じて原子炉建屋隣の建物に海水が流入。一部の非常用発電機が使用不可能になったが、外部電源が1系統生き残ったことなどから冷温停止に成功し、構内の体育館は避難所として周辺住民に開放された。
 東北電は震災後、再稼働に向けて11年間、総額約5700億円かけて安全対策工事を実施。想定される地震の揺れ(基準地震動)を1000ガル(ガルは加速度の単位)に引き上げたほか、防潮堤を海抜17メートルから29メートルにかさ上げ。新たに取水路からの津波を防ぐ壁なども設置した。
 原発から約2キロ西の女川町沿岸部に住む阿部七男さん(75)は津波で自宅を流され、構内に身を寄せた1人。「避難できて安心した」と振り返るが、再稼働すれば「福島(第1原発)のような事故がいつ起きるか分からない」とも語る。「人間が操作するものだから絶対的な安全はない」と不安をのぞかせた。
 同町の70代女性は「『核のごみ』問題が解決していないので原発はない方がいいが、恩恵もあるので(再稼働は)仕方ない」と複雑な様子。70代男性は「原発に反対はしていない。トラブルや事故のないよう運転してほしい」と注文を付けた。
 ただ、女川町議会は20年9月、地元商工会などが提出した陳情を採択し、立地自治体の中で最も早く再稼働容認の姿勢を示した。町議会の佐藤良一議長(79)は「原発と共生する意識が(住民に)芽生えているのは確かだ」と話す。
 佐藤議長は、昨年10月の町議選で、原発反対の姿勢を示す議員の票が伸びなかったと指摘。「建てられた以上は共生していこう。ただし、安全性については指摘していくということだ」と強調した。(2024/10/27-07:50)

2024.10.27 07:50Nation

Onagawa No. 2 Reactor to Go Back Online amid Mixed Local Feelings


A nuclear power reactor in northeastern Japan is set to be reactivated Tuesday, amid mixed feelings among local residents.
   The No. 2 unit at Tohoku Electric Power Co.'s Onagawa nuclear power station in Miyagi Prefecture will be the first reactor going back online in eastern Japan since the March 2011 powerful earthquake and tsunami, which struck Miyagi and other northeastern prefectures.
   The Onagawa No. 2 unit is a boiling water reactor, the same type as reactors at Tokyo Electric Power Company Holdings Inc.'s Fukushima No. 1 nuclear power plant, where an unprecedented triple meltdown occurred soon after the quake and tsunami due to reactor damage caused by the natural disaster. It is also the first time for a BWR to be brought back online.
   Some people living around the Onagawa plant, which straddles the town of Onagawa and the city of Ishinomaki, have expressed understanding for the restart of the No. 2 reactor, while other local residents have voiced concerns about the possibility of an accident occurring at the plant after the reactivation.
   The nuclear plant's No. 1 and No. 3 units, both BWRs as well, were in operation and the No. 2 reactor was in the process of being activated when the earthquake and tsunami struck.

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