内定取り消し、相次ぐ悲鳴 救済に乗り出す企業も―新型コロナ
新型コロナウイルスの感染拡大で、業績悪化を懸念した企業から内定を取り消されるケースが相次いでいる。新生活のめどが立たず、就職活動中の学生らから悲鳴が上がり、政府も実態把握に動きだした。
「コロナの影響で仕事がなく、新卒を雇う余裕はない」。ウエディング会社に就職が決まっていた岐阜県の女子短大生(20)は9日、採用担当者から電話で突然、内定取り消しを告げられた。「就活に費やした分のお金や人の人生を何だと思っているのか」と憤る。
宮城県の男性(28)は、携帯電話の販売代理店への転職が決まった数日後、「感染被害削減」を理由に採用を撤回された。業績悪化による採用中止の口実に「感染」が持ち出されたのではないかとの疑念を抱く。
雇用条件の変更を余儀なくされた人もいる。群馬県の米国人男性(44)は、英会話学校講師としてフルタイムの雇用が決まっていたが、派遣先幼稚園の臨時休園などを理由にパート勤務を提示された。妻と子ども2人を抱え、経済的な打撃は大きく、辞める予定だった別のパートと掛け持ちせざるを得ないという。
内定取り消しの動きには政府も懸念を強める。衛藤晟一1億総活躍担当相は13日、「詳細の把握をできるだけ早く行いたい」と述べ、実態把握を急ぐ考えを示した。
一方、こうした状況をチャンスとみる企業もある。子育て層向けアプリの企画開発会社「カラダノート」(東京都港区)は12日、内定を取り消された学生を対象に採用選考を始めた。「ピンチを乗り越え、就職活動に取り組む人は行動力がある」(彦坂真依子広報室長)と評価し、優秀な人材獲得の機会ととらえる。
労働問題に詳しい君和田伸仁弁護士は「業績悪化による内定取り消しは認められない。休職扱いにし休業手当を受けられるよう政府が支援すべきだ」と訴えた。(2020/03/16-13:31)
Cancellations of Job Offers Increasing in Japan in Virus Outbreak
Cancellations of informal job offers are increasing in Japan as companies are concerned about the impact on their earnings from the spread of the coronavirus outbreak.
On March 9, a female two-year college student in Gifu Prefecture, central Japan, received a brief notice that an informal job offer made to her had been withdrawn.
"We can't afford to hire new graduates as we have no work due to the coronavirus," an official of the wedding company she was supposed to join in April said on the phone, according to the 20-year-old student.
"I wonder what they think about my life and the money I put into job-hunting activities," the student said, angrily.
A 28-year-old male worker in Miyagi Prefecture, northeastern Japan, said that a mobile-phone sales agent told him that it had decided not to hire him, just a few days after the company gave him an informal job offer.
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