証券大手、地銀に急接近 相互に弱点補完、連携に活路
証券大手グループが地方銀行に急接近している。投資信託など金融商品を提供し、販路拡大につなげるのが狙いだ。地銀も証券会社の知見を活用できれば、顧客の資産運用ニーズに応えられる利点がある。証券、地銀の経営環境が厳しさを増す中、両者は双方の強みを生かし活路を見いだそうと新たな連携の形を模索している。
先行したのは最大手の野村証券。昨年8月に山陰合同銀行(松江市)と包括提携で基本合意した。同行は証券子会社を廃止し、銀行本体で投資信託など金融商品を販売する計画だ。野村は商品選定や証券口座の管理を行う。野村は今年1月、阿波銀行(徳島市)とも提携に合意した。
野村以上に地銀との連携に熱心なのがオンライン証券会社を傘下に置くインターネット金融大手SBIホールディングス。「地銀連合構想」を掲げ、既に島根(松江市)、福島(福島市)、筑邦(福岡県久留米市)、清水(静岡市)の4銀行と提携。筆頭株主となった島根銀からは投信の窓口販売事業を取得し、島根県内での販売を委託。SBIは商品供給と口座管理などに徹する予定だ。中堅の東海東京フィナンシャル・ホールディングスも地銀との連携を検討している。
証券大手は投信の売買手数料撤廃や、地方支店での人口減少などによる個人向け営業の採算悪化に直面。一方、地銀は投信販売を軸に手数料収入の拡大を目指してきたが、商品数は大手銀などに比べ見劣りし、管理コストも負担になっている。それでも「顧客本位で考えれば、資産運用事業をやめることはできない」(地銀幹部)。
地銀関係者には「(証券大手に)いいように使われるのではないか」との警戒感も強いが、人口減や超低金利下による収益低下に苦しむ状況では事態打開に動かざるを得ない。金融機関向けのコンサルティング業務を手掛ける日本資産運用基盤グループ(東京)の大原啓一社長は証券と地銀の関係強化について「理にかなっており『一石数鳥』。今後も広がるのは間違いない」と話している。(2020/03/08-07:40)
Major Brokers Making Tie-Up Approaches to Regional Banks
Major Japanese securities companies are making tie-up approaches to regional banks, aiming to expand their sales channels for investment trusts and other financial products amid the toughening business environment in the financial industry.
Brokerage giant Nomura Holdings Inc. spearheaded such moves. It reached a basic agreement with San-in Godo Bank , based in the western city of Matsue, Shimane Prefecture, over a comprehensive tie-up in August last year.
最新ニュース
-
堅守こじ開け、勢い=巻き返した横浜M―ACLサッカー
-
往年のスター、華麗に沸かせる=JリーグOBと「レジェンドマッチ」―サッカー
-
仙台高裁、二審も再稼働の女川原発2号機の差し止め認めず☆差替
-
横浜M、浦項退ける=ACLサッカー
-
二審も差し止め認めず=再稼働の女川原発2号機―仙台高裁
写真特集
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕