2024.09.11 07:06Business

iPhoneに生成AI 本格展開で巻き返し―米アップル

 【シリコンバレー時事】米アップルが9日、新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)16」シリーズの全機種に生成AI(人工知能)を搭載すると発表した。利用者個人に対する理解を深めることで、利便性を向上。生成AI分野で出遅れる中、設計変更や個人情報保護の取り組みをアピールし、巻き返しを図る。人気製品での本格展開は、生成AIの普及にもつながりそうだ。
 「16」(画面サイズ6.1インチ)は799ドル(日本では12万4800円)から。13日から予約受け付けを始め、20日に発売する。アップル独自の生成AI「アップルインテリジェンス」を組み込んでおり、クック最高経営責任者(CEO)は発表動画で「新時代の始まりを象徴するものだ」と述べた。
 生成AIは次期基本ソフト「iOS18」で提供。米国(英語)で来月から利用可能になり、来年には日本語にも対応する。メールの下書きや要約、音声の書き起こしも行ってくれる。高度な質問内容の場合、米オープンAIの「チャットGPT」による回答も選べる。生成AIの機能をフル活用できるよう、データ処理と省電力を向上させた最新の半導体を採用した。
 生成AI搭載に合わせ、スマホの右側面に「カメラコントロール」ボタンを追加。カメラの起動・撮影だけでなく、撮影した店舗やモノを検索できるほか、チャットGPTを動かすことも可能だ。
 アップルがさらに強調したのが、個人情報保護の取り組み。生成AIによる情報処理は基本的に端末で行い、同社は個人情報を保持しない。複雑な問いをクラウドで処理する必要があっても同様だ。チャットGPTはアカウントを作らなくても使え、インターネット上の住所に当たるIPアドレスを匿名化するため、個人の特定にはつながらないとしている。
 米調査会社IDCによると、世界のスマホ出荷台数は2022年、23年と2年連続で減少。高機能化と長寿命化で市場の成長は停滞気味だったが、生成AI搭載スマホの登場で、24年は増加に転じる見通しという。
 ただ、24年4~6月期のアイフォーンの売上高は2四半期連続でマイナスとなった。中国メーカーに勢いがあるほか、米グーグルなどがAIスマホで先行し、厳しい戦いが続く。「16」投入で状況を打開できるか注目される。(2024/09/11-07:06)

2024.09.11 07:06Business

Apple's iPhone 16 to Be Equipped with Generative AI


U.S. technology giant Apple Inc. said Monday that it will equip all models of the new iPhone 16 smartphone series with a generative artificial intelligence system.
   Apple hopes that the AI system developed in-house, dubbed Apple Intelligence, will deepen understanding of individual users to enhance user convenience. The addition of the system is seen boosting the global use of the generative AI technology.

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