2024.08.06 13:31Nation

「より若い世代に声残す」 元高校生平和大使、核廃絶訴え活動―大学2年大内さん・広島原爆忌

 国内外で核兵器廃絶などを訴える「高校生平和大使」を務めた後、平和活動に取り組む団体を立ち上げた学生がいる。広島市立大2年の大内由紀子さん(20)=同市安佐南区=だ。戦後79年がたって被爆者が減少する中、「消えつつある声を自分よりも若い世代に残していきたい」という思いで活動している。
 活動に興味を持ったきっかけは、小学4年で訪れた平和記念資料館。写真に写る頭髪の抜けた子どもが、自分と同い年だったことが印象に残った。「自分だったらと想像したら、生まれ育った県で起きたことについて、もっと自分ごととして考えたい」と思った。
 海外での活動に憧れがあり、高校2年だった2021年に平和大使に応募。核兵器廃絶を求める署名を集め、軍縮会議が開かれるスイス・ジュネーブの国連欧州本部に提出するのが主な活動だが、コロナ禍で渡航はかなわなかった。
 「思い描いていたような活動はできなかった」と悔しさを抱えていた中、翌22年の核兵器禁止条約第1回締約国会議に合わせ、35人いた高校生平和大使の代表としてオーストリア・ウィーンに派遣された。世界各国の若者による交流イベントに参加し、英語でスピーチ。コロナ禍で平和大使の活動が制限されていただけに、「いろいろな国の方と交流できて、すごく胸が熱くなった」。
 大学へ進学した昨年4月、学生による平和活動団体「Connect Hiroshima」を設立した。進学を機に活動から離れる人が多いことから、「学生が中心となった団体があれば、いろいろな人に関わってもらえるのでは」と考えた。団体名はウィーンで印象的だった「つながり」という言葉にちなんだ。
 同年11月に開かれた同条約第2回締約国会議へのオブザーバー参加を日本政府に求める署名活動を行い、約4万3000筆を外務省に提出。米ニューヨークを訪れて会議を傍聴したほか、被爆者から聞いた体験談を、諸外国の外交官に話すなど積極的に発信した。
 現在は長崎の学生団体と連携し、来年の被爆80年に向けたプロジェクトを進めている。自分と考え方が違う人と話すことを諦めずに、対話を心掛けてきたという大内さん。「日本政府が先頭に立って核廃絶に向けた声を世界で上げてほしい」と願っている。(2024/08/06-13:31)

2024.08.06 13:31Nation

Hiroshima Student Activist Calls for Abolition of Nuclear Weapons


Yukiko Ouchi established an organization promoting peace to pass down the voices of hibakusha to younger generations as the number of the atomic bomb survivors is shrinking 79 years after World War II ended.
   Ouchi, a 20-year-old resident of Hiroshima Prefecture and student of Hiroshima City University, first paid close attention to the issue when she visited Hiroshima Peace Memorial Museum in elementary school days. A picture showing a child victim of the bombing with no hair who was the same age as Ouchi left a strong impression on her.
   She thought, "When I imagined if the child had been me, I wanted to think what had happened in the prefecture where I grew up as something that affects me."
   She wanted to work on activities overseas and applied for a student peace messenger role in 2021, while she was in her second year at high school.
   The main responsibility of the peace messenger role is to collect signatures calling for the abolition of nuclear weapons and submit them to the U.N. Office at Geneva, where a conference on disarmament is held. However, traveling there was impossible amid the COVID-19 pandemic.

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